陽キャなカノジョは距離感がバグっている 出会って即お持ち帰りしちゃダメなの? (富士見ファンタジア文庫)

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またまた浮気である。

それまでの積み重ねのないラブコメを読みたい。

と思ったのである。

例によってアマゾンからあらすじの引用を(ちなみにこのあらすじは、楽天だろうが他のところであろうが全文同じであるから、別に「アマゾンから」と書かなくてもいいのだが・・・)。


クラスの高嶺の花・佐々川綾乃。そんな彼女を偶然ナンパから助けたら――
「ありがとう、藤村」
って、日陰者な俺の名前をまさかの認知! その上、妙に懐かれるようになり……!?
以来、休日には家に連れ込まれ、子どものように「褒めて?」と迫ってきたり、添い寝したり。
陰キャぼっち生活を謳歌していたはずなのに、気付けば彼女の存在が日常になっていて……。

「今日も家来るでしょ?」
「ぼっち? じゃあ私がひとり占めできるね!」
「……キミのこと、特別だと思っちゃダメなの?」

遠い世界の人だと思っていた彼女が、今となってはゼロ距離に。
大胆すぎる彼女に翻弄される、青春カーストラブコメ!


こちらもまたクラスの高嶺の花がヒロインである。この綾乃さんは、モデルや女優などをしているらしく(作中では曖昧にしか語られない)、そのため「高嶺の花」である。

その綾乃さんをたまたま主人公の藤村君が助けてしまう。そこから、関係が始まるのだ。

綾乃さんは高身長であるが、藤村君は低身長でおまけに陰キャである。接点が全くなさそうな二人なのだが、その二人が、(特に藤村君が)戸惑いつつも関係を深めていく話。

綾乃さんには取り巻き?のような友人はいるが、腹を割って話せるような相手ではなく、また特殊な仕事をしていることから、疎外感のようなものを感じているため、藤村君には逆にどんどん甘えてくるようになってしまった。

藤村君は「いつも寝たフリをして、誰とも話そうとしない人」である(もっともそれには理由があり、2巻で明かされた)。

最初の「ナンパから助けてもらった(偶然)」の件で、綾乃さんは「お礼をしないといけないなあ」と思う。彼女は芸能の世界で生きているため、なんでも「金で解決」しなければと思っていたが、藤村くんはそれを断る。そして、綾乃さんはこう思うのである。「私のお金でなびかない人がいるんだ・・」と。

さらにその後、藤村君は、綾乃さんの取り巻きが綾乃さんの悪口を言っている現場を見てしまう。

そんなことがあったある雨の日。

雨で帰れず、どうしようかと考えていた綾乃さんに、藤村君が「これ、カバンに入ってて、使ってくれていいから」とカサを差し出す。ところがそれは新品の、タグがついたままのカサだった。わざわざ買ってきたのだ。そして雨が降る中二人で帰ったところ、今度は綾乃さんが雨に濡れたのをきっかけとして風邪をひいてしまい、今度は藤村君が看病を・・・。そんなこんながあって、低身長と高身長の不思議なカップルはお互いの仲を深めてゆくのだった。

なお、この「低身長の男性、高身長の女性」という組み合わせに何か意味があるのかな? と思っていたが、読みすすめるうちにわかった。体が密着するような、例えば満員電車だとかそういう場面においては、男性の顔がちょうど女性の胸あたりになってしまうわけである。なんなら女性側から弟をあやす感覚で抱きしめることもできる。・・・・・この辺は全くもって盲点であり、気づきもしなかった。

例えばこのような感じだ(本文より引用)

「手ごろなサイズの(藤村)京介は、抵抗する間もなく抱き寄せられ、彼女の年齢不相応な部分(胸)へと顔面から衝突する」(カッコはこちらで入れたもの)

綾乃さんは学校でも大変にモテるが、しかし恋愛経験値はゼロである。そんな彼女が藤村君といるときだけはうきうきとしているのは読んでいて微笑ましい。

読後感がよかったというか、2巻まで出ていて読んだが、3巻が出るならまた読みたいと思う作品だった。

高身長と低身長のカップルに期待。


追記。

読んだのが結構前なので記憶があやふやのため、もう一度読んでみることにした。

その結果記憶に齟齬があったらレビューを書き直すこととする。



追記2。

記憶に齟齬はなかったが、大事なことを書き忘れていた。

イラストがよかった。

イラストはハムさんという方である。作者の名前は枩 葉松といい、「ときわようしょう」と読む。ラノベだけではなく、漫画の原作なども手掛けている方らしい。

ハムさんの絵はここにあるんだよ(・∀・)

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