ティアムーン帝国物語11~断頭台から始まる、姫の転生逆転ストーリー~

Uncategorized

しばらく間が空いてしまった。

私は一年のうち、2、5、8、11月が最も忙しいため、本を読んでいてもその間はレビューが滞ってしまうのである。

もちろんその間もいろいろな本を読み続けているので、それらを書いていく。

例によってアマゾンからあらすじの引用を(ネタバレ防止と自分の記憶をたどる意味もある)。


【あらすじ】

勇ましい嘶(いなな)きが響き渡る。騎馬王国の和平をうっかり肩に背負った騎手・ミーアは馬を駆っていた。二日にわたる長距離競馬“馬合わせ”――火族を受け入れるか否かを神へ問う一騎打ちが始まったのだ。だが、その勝負の最中、孫娘・ベルの親友であるシュトリナが「混沌の蛇」に拐(さら)われた!? 死んだはずのアベルの姉・ヴァレンティナが首謀者だと判明したことで、思わぬ結末へと事態は流転してゆき…….? 「わたくしたちの未来には、お義姉様でも手出しはさせませんわ!」 “蛇の巫女姫”とついに正面対決へ! 「第四部 その月の導く明日へ」堂々の完結! 大人気歴史改変ファンタジー!


今回のメインになる話は2つある。まずは「あらすじ」にある「馬合わせ」である。

ミーアの思惑としては火族を再び騎馬民族に組み入れたい。しかし、振り上げた斧を引っ込められないとばかりに、騎馬民族からは「馬合わせで勝ったら火族を元に戻してやる」という申し出を受けてしまう。

その間シュトリナは攫われるが、それはちょっとおいておいて、「混沌の蛇」の首謀者がついに発覚。死んだはずのアベルの姉、ヴァレンティナであった(ようやくネタバレを恐れず書ける!)。この巻においては、「混沌の蛇」がどんな組織なのか、彼らの間の会話など、今まで表面化されず(描かれず)にいたことが随分と書かれていた。ただし、彼らが何を目指すどんな団体なのか、というのは一言では言い表しにくく、書いたらやっぱりネタバレになるのでここでは書かない。

さて話を戻して「馬合わせ」である。ここで、ミーアは、毎度のことのように、ミーアを思う様々な人の思惑の結果、「あまり強そうでない馬」と「モコモコの服装(騎馬民族においては初心者が着る服)」を着て勝負に挑むことになった。二日間にもわたる勝負において、勝負相手との融和をはかるミーアであったがなかなかうまくいかない。しかし、そこはミーア。最後には様々な偶然が重なって、いつものようになんとかしてしまうのだった(というか、うまくいってしまうのだった)。

メインの話のもう一つは、・・・あれ? 「あらすじ」に書いていない! ではこれも書けないのかな?

ではネタバレにならないように慎重に書こう。

ミーアの孫であるミーアベル。ミーアベルは数巻にわたってこの世界で生きていて、「本来違う世界の人なのにこの矛盾はどこで解決されるのだろうか?」と思いつつも、全然解決される見込みがなかったため、「そういうものとしていくのだろう」と思っていたが、「それ」は唐突にきた。ミーアベルが何者か、そして彼女がいた本来の世界とは何か。それらの「矛盾の解決」が「混沌の蛇」との対決でなされてしまう。

具体的に何がどうなったかを書くとネタバレなので書けないが、皆が悲しむ出来事になったが、それはある程度の年月を経て解決した、としか言えない。

この話は、毎回読み終わるとスッキリとした爽快感があるのだが、それはなぜだろう? と考えてみるに、ミーアが、「本来ならば最悪の出来事が起こるはずだった」という出来事を逆転させて「最良の出来事」にしていくからかな、と思った。そこには、「皆の(私の)望む結果」に、一見辿り着けそうもない難題が幾多にもあるにも関わらず、それをなんとかしてしまう。もっとも、ミーア一人でやっているわけではないのも、読者は知っている。ミーアの周囲の人たちもそれに貢献しているのだ。結果的に「ミーアの偉業」とされるもののうち大半は「ミーアの仲間たちの貢献」が欠かせない。いわば、「みんなで世直し物語」とでもいうべきか。それが爽快感につながるのだと思う。



コメント

タイトルとURLをコピーしました