絵がフライさんだったから、というのもあるが、「数学モノ」なので読んでみた。
アマゾンのあらすじにはこうある。
高校三年生の関数馬は、理系なのに大の数学音痴。一方で、憧れのクラスメイト・有理は「数学の女王」と呼ばれる才媛。彼女には、「自分より数学ができる人としか付き合わない」という噂も……!
有理とデートするチャンスを得た数馬の前に立ち塞がる期末試験。藁にもすがる思いで、数学の神様がいるという神社を訪れる数馬。夕日が世界を赤く染める時、必死の願いに応える声が響く――。
「ねぇ、数学が得意になりたいの?」
謎の天才中学生・環に数学を習う中、近づいていく有理との距離。そんな数馬の前に現れた、もう一人の天才美少女の目的とは――?
第12回講談社ラノベ文庫新人賞<優秀賞>は異色の数学ラブコメ!
・・・・あらすじを読む限りでは、最初からネタバレになりそうな感じなのだが・・。
では極力ネタバレにならないように、「あらすじ」に準拠して書くことにする。
「謎の天才中学生・環」と神社で遭遇した数馬君は、環さんから数学を習うようになる。
そしてめきめきと成績をあげていくわけである。有理との仲も以前より近づく。
今気づいたが、登場人物の名前が全部数学用語である。
「関数馬」にいたっては、名字と名前が離れているが「関数」だし、謎の少女の「環」はそれ自体「環(かん)」である。そしてヒロイン(?)は「有理」と「有理数」の「有理」である。
で、「もう一人の天才美少女の目的とは――?」とあるが、・・・なるほど確かにこれもネタバレになってしまう。
「数学モノ」としては、少し古いのかもしれないが、「数学ガール」というのがある。
これは、4巻くらいまでは買って読んだ。ただ、実際にノートで計算しながら読むともっとも面白い、という実践的な数学モノであり、読み物としては、当時は画期的であったが、今の私としてはこちらの「君と紡ぐソネット ~黄昏の数学少女~」を推したい。もっとも、「実践的な数学を、自分でも計算しながらやりたい」という人には「数学ガール」がおすすめである。
話を元に戻すと、数学問題を解く際の「心構え」というか「こう考えると解ける」といったものも描かれており、なかなか面白かった。
そして、天才少女、環が普段見ている風景は、私の見ているものとはまるで違うのだろうな、とも思った。
私は数学が大好きであったが、大学は中退してしまったので、大学で学ぶ数学をほとんどやっていない。それが少々心残りであり、しばらく独学でやってもみたが、どうにもモチベーションが上がらずやめてしまった。目標というものがないと、どうも続かない。
それはそうと、こういう読み物は好きである。
ラノベではないが、これも(数学好きには)おすすめである。
これは「数式を一切使わずに書かれた」本である。そのため、話が抽象的にならざるをえないが、計算せずとも読めるため、電車通勤・通学の間にも読める。
話がいろいろ脱線したが面白かった!
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