悪魔のような公爵一家II (TOブックスラノベ)

ラノベ

2巻である。

前巻で「ラクトス公爵一家」が登場し、「ただの人」(むしろ善良な人)なのに怖がられて避けられる・・・という悲劇(?)が描かれたが、その続きである。

前巻において、長男ジェイク・ラクトスが無事見合いをして一目惚れ。相手も一目惚れというおめでたさに引き続き、今巻では、おそらく一生独身であろうと思われていた長女エルザ・ラクトスを押し付け・・もとい、気に入ってくれそうな、方に心当たりがあることがわかり、「もうなんでもいいから見合いさせて結婚させてまえ!」という勢いで、エルザの見合いの話である・・・・・。

(↑どう考えても「ただの庶民話ではないか」というふうにしか見えないのは錯覚ではないのだった)

このエルザ・ラクトス、この世界においてはもっとも重い(らしい)金属である「黒鉄」製の鎧を、家でも一日中着ているという「変態」である。

だから、そんなエルザを押し付け・・もとい気に入ってくれる奇特な人などいない・・はずだったのだが。1巻においてやはり噂を信じてラクトス一家を怖れていたが、その後「熱烈な信者」になってしまった「ゼン・ヘリックス」という青年がおり、その青年をうまいこといいくるめ・・もとい説得して、なんとかエルザと見合いさせようとするのである。

「色恋」と全く縁がないエルザのことなので、まあ破談になるのでは? と思いきや・・そこからは本書を。

後半は、長年にわたり「グリード・ラクトス(執政)が怪しい!」と勘違いしていた第一王子、アルトによって、ラクトス一家は窮地に陥る・・・? かな・・? そこは本書を。

という構成。

2巻後半においてきれいに話がまとまっているため、多分この巻で完結だと思うのだが、個人的にはずっと続けてほしかった。

「顔が怖い」だけではそんなに話が続かなかったのかもしれないが、イマドキこんなテンポよく進むギャグ小説はなかなかないだろうなあ、と思った次第である。

よい作品でした。

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