時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん3 (角川スニーカー文庫)

ラノベ

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

ということで、今年初の投稿は「ロシデレ」3巻である。

まずはあらすじから(アマゾンから引用)。


討論会で勝利したことで一躍、クラスメート達からの称賛を浴びるアーリャ&政近ペア。
沙也加の思いを背負い、二人は会長選に向け決意を新たにする!
 まずは目の前の期末試験に向け勉強に励む政近であったが、消し去れぬ周防家との因縁が思わぬ形で現れ、政近は体調を崩してしまって――
「有希さんに頼まれたの。あなたを看病してあげて欲しいって」「……」【嘘だけど】(うぐふっ!)
心配でいてもたってもいられなくなったアーリャさんが政近の自宅に押しかけてきて!?
 不器用で献身的な”孤高のお姫様”の介抱はニヤニヤ必至!
 大人気ロシアンJKとの青春ラブコメディ第3弾。


前巻では「討論会」で勝利し、次なるイベントは「終業式のあいさつ」というものであった。

「消し去れぬ周防家の因縁」のところでは、久世君の母、および祖父が初登場。

この祖父は、久世君に多大な影響を与えロシア映画を見せまくった人ということで、どういう人物か興味があったから、ようやく出てきてくれて嬉しい。

久世くんが体調を崩したときに、有希に頼まれたアーリャが看病にやってくる、ということで「看病イベント」もある。

この「看病イベント」で初めて知ったのだが、「ロシアのおかゆ」の「カーシャ」というものが文中に出てきた。「米の代わりにオートミールや蕎麦の実、出汁の代わりに牛乳、塩の代わりに砂糖が使われる」という食べ物だそうである、

蕎麦の実のカーシャ。パブリックドメイン(Wikipediaより引用)

もともと、周防有希・綾乃組と久世政近・アーリャ組との「会長選」対決はずっと続行中であったが、とはいえ有希と久世君は実は兄妹なのだから、それほど変な手は使わないだろう、と思っていた・・・のは私だけかもしれない。

今回、「薬を盛る」ということを有希がやらかした(といっても風邪薬だが・・)。

久世君は体質的に「飲むと眠くなってしまう」という成分が入っている風邪薬を避けているそうだが、「眠くなる薬」を盛られてしまう。そして数時間眠っていた隙に、有希に出し抜かれてしまう・・・。

ここで気になったのは、この「眠くなる成分」である。大抵の風邪薬は眠くなると思うのだが・・・。

この「眠くなる成分」は、鼻水、鼻詰まり、くしゃみといった症状を抑えるための「抗ヒスタミン剤」というものだ(原作にはここまでは書かれていないが)。成分名としては、「クロルフェニラミンマレイン酸塩」「ジフェンヒドラミン塩酸塩」「クレマスチンフマル酸塩」という名称になる(メトロファーマシーのサイトより引用)。しかしながら、「クレマスチンフマル酸塩」は例外的に「眠気が出にくい」のだそうだ(参考:EPARK)。ちなみに「パブロン」シリーズの「パブロン50」は「抗ヒスタミン剤」を含んでいないから、眠くならない。

また、漢方薬の「葛根湯」「小青竜湯」はどちらも風邪薬だが、これらも眠くなる成分を含まない。

今回は「それとしらず眠らされた」ということになっているため、もちろんぱっと見てわかる漢方薬ではないと思う。

この事件によって、久世君は明確に有希を「敵」と認定した。これまでは「形式上は敵だけれど、大したことはあるまい」と思ってしまっていたのだ。また、有希もずっと敬愛していた天才の兄に対抗したいという思惑があったようだ。

そして久世君はやる気を出した。後半は巻き返しになる。

そして「終業式のあいさつ」という一見平和な催しに見えるこれは、実際のところ「会長選の前哨戦」のようなものであった。ここでも、「征嶺学園」という学校の特殊性が伺える。

ここでいい演説が出来なければ、「会長選」の趨勢が危うい。ましてや、周防有希は中学生のときの会長経験者であり、政策を実行してきたという実績もある。しかしアーリャはどうか?

「やるからには上を目指したい」という動機のみである。これで勝てるのだろうか?

というのが後半の見どころ。

「ロシデレ」においては、「最後にアーリャのロシア語で締める」のが恒例となっているが、今巻でもそれは健在。

このときはグーグル翻訳(アプリのほう)で訳している。Kindle端末で読んでいるので、それをスマホで読み取って訳すのだが、「スマホで読んでいたら訳せないのでは」とも思った。しかしこれも解決策があった。スマホの場合、ロシア語部分をスクショして、それをアプリで読み込んで訳せばよい。

YouTubeに3巻紹介のPVがあったので、こちらにも載せてみる。

立木文彦×上坂すみれ『時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん』3巻紹介PV【ロシデレ】

シデレ」をよろしく。

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