前巻においても、散々「ミーア皇女伝」に書かれた「自分の死」を回避するために頑張っていたと思うが、本の記述は変わらないのだった・・・。
おまけに、どこをどう読んでも、「あえて危険を選んで行った」としか思えない記述に「?」となるミーア。
そこで、「では学園内に楽しいイベントを作れば自主的に学園の外に出ようとしないはず!」と思い立ち、「キノコ鍋パーティー」を思いつき、実行にうつす・・・のだが。
運命のときは訪れるのであった。
なにゆえミーアは「わざわざ危険を犯して学園外に出ようとするのか?」の謎がついに明らかになる!
また、これまでなりをひそめていた「イエロームーン公爵家」の謎が「とけ・・・っっぽい!?」的な感じで。
ところで、なにゆえミーアがこれほどまでに「キノコ」を愛する姫になったのか、経緯を忘れてしまったのだが・・、どこかにそんな説明があったかな?
キノコといって思い出されるのは、ミーア達の料理指導でキースウッドが人知れず苦労をしたというくだり。
苦労人はどこにいっても苦労人・・・しかしその人がいなければ世界は回らないのだ!
ともあれ、4大公爵家のうちで「最弱で最古」の「イエロームーン公爵家」が、ティアムーン帝国においていかなる役割を担ってきたのか、というのが「とけっっぽい!?」感じである。
というのは、作者は大体「1冊に1章」の計算で書いているそうだが、今回は分量的にオーバーしてしまったとのことで、次の巻に少し続く。まだ何か、語り残しがあるかもしれない。
しかし、おおむね「とけっっぽい!?」感じではあった。
今回、これまでまったくいいところのなかった、4大公爵家のサフィアスに少しだけ見せ場があった。
そして今巻も、ミーアの預かり知らぬところで、皆さんが「帝国の叡智よ!」と褒め称える場面が多々あり、本来笑うところなのだろうけれども、
人は蒔いた種を刈り取らねばならない
というミーアの言葉が重々しく響いて、私はあまり笑う気にはなれなかった。
これまでに実績と信頼を積み重ねてきたからこそ「いい感じに勘違い」されるわけで、その積み重ねがなかったら、なんとも思われないだろう、というのもわかるし・・。
前の時間軸との比較の話も出てきて、そちらのほうではルードヴィッヒが「あのときああしておけば!」というシーンがあった。
その「あのとき」はこちらではどうなったのか? も、見ものである。
今回の時間軸において、ミーアが、一つ一つは大したことがないこと・・・を積み重ねてきたこと・・・によって、今回の事件は・・、本来進む方向とは違う方向に進み始める。
余談。
この話を読んでいると、ミーアはとにかく「スイーツ」が大好きである。それはまあ、わかる。
しかし、なぜ
キノコ
なのだろうか。そこが今ひとつわからない。
キノコといえば、調理法も「炭火焼き」とか「鶏肉と一緒に鍋にする」とか限られてきそうな気がするのだが・・。ましてやスイーツでもない。
ティアムーンには日本の「松茸」のような美味なキノコでもあるのだろうか。などと、本筋に全く関係ないことを考えてしまうのであった・・。
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