ラブコメの神様なのに俺のラブコメを邪魔するの? だって好きなんだもん (MF文庫J)

ラノベ

買っておいてまだ読んでない本はたくさんあるのだけれども、少し重い話が続いた気がするので、

気軽に読める本はないかなあ、と探していたら、↑これがKindle Unlimited無料対象であったので読んでみた。

思った通りというか、楽しく読めてテンポがいい作品で、気分的にもマッチしていた。

ラブコメではあるのだけれど、ギャグ比率多めの感じというか。

こういう軽快さは好きだ。

話はいたってシンプルなもので、


「優吾(ゆうご)よ、そんなに天真陽毬(てんしんひまり)が好きなのか?」
「あぁ。俺は天真が好きだ」
「ど、どうして我(われ)のことをす、好きになってくれないのだ。我はこんなにも美しくて胸も大きいというのに。我は優吾のことが好きだ! だからわ、我と付き合ってください!」
「すまん月宮。俺はお前とは付き合えない」
「そんな!? 我じゃダメなのか? お前の想いは絶対に天真には届かないぞ。何故なら、我がラブコメの神様でこの力で優吾の告白を邪魔し続けるからだ!」
「お前はそんなに俺の恋を邪魔したいのか?」
「うん」
「即答!?」
「だ、だって……わ、我は、優吾のことが好きなんだもん! だ、だから、優吾は早くあの女を諦めて、わ、わわ、我を好きになってください!」


というものである(アマゾンのあらすじより引用)。

つまり主人公・優吾君は天真陽毬という子が好きで告白をしようとするのだが(名前が一発で変換できない・・・)、もう15回も失敗している。

というのは同じクラスの「月宮アテナ(ラブコメの神)」が邪魔をするからだ・・・というもの。

本来であれば「ラブコメの神(なんだそれは)」なのだから恋愛を応援すればいいものを、「自分がお前を好きなので応援はできない」という無茶苦茶さ。

「好きであればこそ身を引け」とか神様だったらいいそうな気がするが、どこまでも自分中心な神なのであった・・。

で、じゃあそんな自己中心的な、それだけの神なのかといえば、実はそうでもなかったりするのである・・・というお話。

また、少し納得できる部分もあった。それは、

ラブコメの神の能力は、「恋愛を応援、あるいは邪魔できる」というもので、「なぜ邪魔?」というところであるが、「浮気を防ぐためとか」という理由付けがあるのである。決してただの理不尽をやっているわけではない、ということだ。

また、天真さんと優吾君の関係も最初から「?」な部分が多く(伏線)、それはまた徐々に明かされてくるのであるが、

  1. 天真さんは15回告白されかかって、それに気がついていないのだろうか(主人公も、何も伝わってないと考えているのだろうか)。
  2. 優吾君が天真さんと話すようになったとき、大変地味で陰に隠れていたような天真さんが、いつのまにか陽キャに変身していた理由とは。
  3. そもそも月宮アテナさんが優吾君を好きになった理由とは。

・・・と、疑問が生じてきたが、多分次の巻以降でその辺を回収するものかと思われる。

現在3巻まで刊行中、ではなかった。3巻で完結。

他の方のレビューを見ると、例によって好意的な意見もそうでない意見もあるが、好意的なものとしては「3巻で終わるのは惜しい」というのがあった。

作者はこれがデビュー作になる三月みどり先生、である。

今後の作品に期待。

ライトノベルというのは、決して会話文主体の本ばかりというわけではなく、また句読点がやたらに多いというわけでもなく、ぎっしりと文字があるのになぜか読みやすいものは読みやすい。それは以前から不思議ではあったが、要は「読む速度やテンポ、しゃべる速度やテンポ」をうまく計算して書いているから、それだけのことではないだろうか(「それだけ」が難しいのだが)。

例えば「ソードアート・オンライン」シリーズなどは、未知の単語がバンバン出てくる割に読みやすい。

そして、決して「イラストばかり」というわけでもない。なんというか、ここ近年の作品傾向として(気のせいかも知れないが)、「イラストが以前より少ない」気がする。

単に経費縮小の傾向だろうか。あるいは別の理由があるのか・・・。

コメント

タイトルとURLをコピーしました