恋人代行をはじめた俺、なぜか美少女の指名依頼が入ってくる3 (角川スニーカー文庫)

ラノベ

3巻である。今巻で完結である。

これまでの話を振り返る意味でアマゾンからあらすじを引用してみる。


恋人代行のアルバイト代で姉の負担を減らしたい斯波龍馬と、弟には大学生活と恋愛を楽しんでほしい龍馬の姉・カヤ。二人の意見がぶつかる中、龍馬はカヤから過去に恋人代行で経験したトラブルと大切な家族には辛い思いをしてほしくないという切実な想いを痛切に感じ、恋人代行を辞めることを決意する。
 数日後、愛羅との契約関係を解消した龍馬だったが、姫乃には恋人代行での失敗があり、告げることができなかった。
 そんな中、姫乃から電話で「冬休み期間中、お家にきてほしいの」とお願いされ、姫乃の家で一日過ごすのだが……。
 レンタル関係から始まるリアルラブストーリー、堂々完結。


2巻のラストで、姉のカヤに「恋人代行をしているのでは?」と感づかれてしまい、そこで引き。

そこからの3巻冒頭であった。

しかもそのカヤがなぜそのことに気づいたのかといえば、2巻で出てきた「3人目のヒロイン(?)」である葉月さんが、カヤの現上司であったからである。

で、「あらすじ」にもあるように、「龍馬はカヤから過去に恋人代行で経験したトラブルと大切な家族には辛い思いをしてほしくないという切実な想いを痛切に感じ、恋人代行を辞めることを決意する」のであった。

だが、これまでの関係の清算はどうするのだろうか? というのがざっくりというと今巻のメインである。

あらすじを見ても察しがつくかと思うが、「全ての関係を解消する」というわけではなく、「お金の関係を解消する」という方向に向かった。そしていつしか龍馬君には本命の恋人がいたのであった・・・。まあ読まなくてもわかるのだけれど・・・。

ところで、2巻で出てきた葉月さんとは、たった一行でのお別れであった。神宮愛羅とは関係性も長いためそういうわけにもいかず、「じっくり話そう」として「初詣」をその場に選ぶ。結果、そこで愛羅との関係はどう変わるのか。愛羅としては、龍馬が「お金の関係のみを解消したい」といったとき、いくつかの選択肢があったし、もう少し突っ込んだ関係性を望んでもよかった。しかし愛羅は「姫乃(でびるちゃん)」のファンでもあった。そこで葛藤する。

で、後半はもう「姫乃」とのストーリーになってしまう。

あまり「〜〜なればよかった」という類のことは自分は書かないスタンスなのだけれども、紙幅の都合もあったのかもしれないが、愛羅と葉月さんが、「お金の関係がなくなった後」にまた現れて元気でいるところを見たかった気がする。

後半がほとんど姫乃との話に終始してしまうので、上記2名のほうが気になって仕方がなかった。

後半のほうでは、両親を亡くし姉のカヤと二人だけで生きてきた龍馬ならではの「気遣い」の描写がある。例えば生理のつらさが男性にわかるかといえば、考えてみたこともなかったが、まるでわからない。そういうときに「あ、そういう時期か」と察して気を配れる男性は喜ばれる、だとか、実際の生活面でも役立ちそうな話があった。

「なぜここでそういう描写を?」と、読んでいたときは気が付かなかった部分があったが、それはそういう「気遣い」のシーンであった。

なお、著者の「夏乃実」さんの性別はどっちだろうと調べてみたところ「性別、年齢非公開」らしい。男性目線の作品だからなんとなく男性かと思っていたが、中盤から後半にかけての「女性に対する気遣い」の描写を読んでいると「女性かな?」という気もする。

先日も「ふーみ」さんのイラストの作品を読んだばかりで、また「ふーみ」さんである。この方の絵は目が大きいのがいい・・のかな。なぜか中毒性があるような絵で、ふーみさんの絵だと安心する。

・・・なお、このブログの初期に書いた本でふーみさんがイラストを担当した本が結構あるのだが、ほとんど打ち切りになってしまったのは残念・・。

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