また買ってからしばらく読んでいなかったものを消化。
この話は大変難しいので、どこまで書いたらいいのか、何がネタバレに該当するのかよくわからない。
ということでとりあえずアマゾンの「あらすじ」を引用してみる。
GA文庫大賞《大賞》受賞作、待望の第2巻!
「この海の近くには、霧があるのよ」
古都ガルムをあとにしたメノウたちは、港町リベールへと辿りつく。
入り込んだが最後、戻ってきた者はいないと言われるリベールの霧。それは、かつて南方諸島連合を食らいつくした、四大人災『霧魔殿』だった。死んでも蘇るアカリを殺しきる手段を求めるメノウは、処刑人としての任務を完遂するため、その魔の霧を利用することを思いつく。
そんななか、メノウたちに接近するリベール伯の娘・マノン。“いなかった”はずの彼女の行動が、メノウたちの運命をアカリですら意図しない方向へと捻じ曲げはじめる――。
彼女が彼女を殺すための物語、急変の第2巻!
1巻を読んでから時間が経ちすぎたのもあり、最初ストーリーがなかなか頭に入ってこなかった。
サブタイトルの「ホワイトアウト」は「入り込んだが最後、戻ってきた者はいないと言われるリベールの霧。それは、かつて南方諸島連合を食らいつくした、四大人災『霧魔殿』だった」からきているものと思われる。
この世界には「第一身分(ファウスト)」「第二身分(ノブレス)」「第三身分(コモンズ)」という3階級がいて、メノウの所属するのは「第一身分」の「神官」であり「処刑人」。簡単にいえば第一が一番上の身分で、第三が一番下。「支配階級(神官含む)」「騎士階級」「一般市民」とでも書けばいいのだろうか。そしてさらにそれ以外に「第四(フォース)」を名乗る人たちがいて、文字通り「第四の身分」を自称している。彼らの思想は「人間はどのような身分にも囚われるべきでない」とのことで、「自由と自立」を謳う「第四思想」を掲げているが、一般的には「準テロリスト扱い」だそうである。で、今回はその「第四(フォース)」との軋轢というかなんというか、が描かれる。
グリザリカ王国を出たメノウとアカリだが、メノウは「アカリを殺す方策を練るため」に、リベールという街に訪れる。もともとここには「四大人災(ヒューマンエラー)」である「霧魔殿(パンデモニウム)」がいるため、何らかの策を講じてアカリをそこにぶち込めば死んでくれるのではないか・・・と思ったらしい。
リベールにおいてメノウたちに接触する「マノン」は、何のために彼らに近づいたのか、最初からはっきりしないのだが、後半でようやくわかる。
「“いなかった”はずの彼女の行動」というのも意味深である。
というのは、アカリはこの旅を何度も繰り返しているが、これまでの「繰り返し」に存在しなかったのが、この「マノン」である。彼女がなぜ出てきたか? そして「パンデモニウム」がなぜ出現したか? も後半でわかる。
1巻ですでに語られているように、アカリの目的は「メノウに殺されること」である。なぜかといえば、「そうしなければメノウが不幸になるから」であり、メノウを不幸にするのは「赤黒い髪の神官」である。自分の記憶が間違っていなければ、それはメノウの師匠にあたる人物のはずだが、
なぜ師匠が弟子を殺しにくるのか? この辺はまるでわからない。
この巻においては、異世界の「日本」から召喚された人物に付与される「純粋概念」というものの性質についても幾分細かく語られている。
「純粋概念」は使用すれば使用するほどマズイ、らしい。だからこそメノウはアカリとの旅が思いの外長引いていることに焦燥感を感じてきている。
(どう「マズイ」のかはネタバレになりそうなので書かない)
ただ、世界観が緻密に作られている上に、それを小出しに出される感じなので、この世界では「何が常識で何が非常識なのか」というのが今一つわかりにくい気がする。あるいは自分の理解力を超えているかもしれない。
ともあれ、「世界四大人災(ヒューマンエラー)」であるところの「パンデモニウム」の出現が彼らにとっての最大の危機だ。
また、前出の「マノン」が、思いもかけないことを言った。それは、
この世界は意図的に外部からの変革を欲し、異世界人を召喚しているのではないか
これは現状、突飛な発想であり、裏付けはない。しかしながら、この世界には必ず「迷い人」と呼ばれる人間が時折召喚され、必ず日本人である、ということが伏線になっているのかもしれない。
一体アカリは「望む結末」を得るために、何度この旅を繰り返してきたのだろうか・・・。
ある意味では、「Re:ゼロから始める異世界生活」に似た要素もある(話の構成などはまるで違うが)。
なお、前巻に引き続き、アーシュナ殿下も登場し、相変わらず規格外のパワーで活躍するのであった。
※補足
アニメ化が決まったので、宣伝動画を置いてみる。
いつから公開なのか知りたいと思ったが、まだ発表はないとのこと。
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