経験済みなキミと、 経験ゼロなオレが、 お付き合いする話。その3 (富士見ファンタジア文庫)

ラノベ

とりあえずAmazonの「あらすじ」を見てみると、こうあった。


陰キャな龍斗×スクールカースト最上位の月愛カップルによる、ギャップだらけのラブストーリー、続編! 季節は秋。さまざまな学校行事や将来のことを考える季節となり、それぞれの胸に新たな決意が…。波乱の3巻!


・・・なんか、「何も言っていない」ようなあらすじなのだが・・。

気を取り直して書いてみる。そもそも1巻から、白河月愛るなと黒瀬海愛まりあの姉妹の関係を軸にしてストーリーが展開されてきたような気がする。

一見、「陰キャ」な加島龍斗りゅうと君と、「陽キャ」のルナの「ギャップだらけのラブストーリー」という体をとっているが、実際にはルナとマリンという姉妹のストーリーがメインなのかもしれない、とも思う。

2巻において決着がついたはずの、リュートとマリンの関係は、実はついていなかった。

今巻においては、今まで「実は姉妹」だとクラスに言いそこねていたルナが、マリンと再び以前のように仲良くなろうと画策し、文化祭実行委員の一部である「パンフレット作成係」へと立候補する。それはマリンが先に立候補したからで、そうなるとリュートもついていかざるをえない。こうして「ルナ、マリン、リュート」の3人からなる「パンフレット係」の運営がスタートする。

・・・のだが、当然リュートは立場上ルナに賛同したいはずが、「感性の違い」がここで大きく出てしまい、ことごとくマリンの話に賛同してしまい、ルナは悲しみを覚える。

これと並行して、リュートは受験を見据えて予備校へと通うことになったのだが、なんとその予備校にはマリンがいたのだ。見つかったらまずい! とここで、関家なる新登場人物が出てきて、彼と行動を共にするようになり、関家君はリュートの事情を知り、マリンと鉢合わせしないように協力してくれるようになる。

今回の主役は実は関家君のほうなのかもしれない。冒頭で山名ニコル(ルナの友人)が「かつてつきあっていた人」の話をするシーンがあるが、そちらが一巻通して実は本筋なのかもしれない。

タイトルからは想像もつかないくらいの複数のストーリーが同時進行しており、それが違和感がなくブレンドされている。

2巻同様、「最初はこのカップル仲がいいが、途中から怪しくなる」のであるが、

私があるところに付箋を貼っておいた、その文章はリュートのセリフで、

「スポーツカーはさ、目的地に早くつくために速く走る車じゃないんだ。『走ること』そのものを楽しむ車なんだよ」

というのがあった。これは車の話をしているようで「生き様」の話でもあった。

それに対するルナのリアクションはこうであった。

「今を生きる。生きるために、あたしは生きる。今までそうしてきたみたいに」

これがルナの出した「生き様」である。「目的がない!」とも言えるし「刹那的!」とも言える気がするが、不思議と今は「それもアリだな」と思える。

リュートはリュートでこういう。

「俺、スポーツカー好きだよ。『走ることを楽しむために生まれた車』って、純粋でかっこいいじゃん」と。

車本来の意味からいえば、「効率よく目的地に安全につく」というのがベストなのかもしれない。だが、スポーツカーはそうじゃない。「走ることそのものを楽しむための車」なのだ、という。

だとすれば、「生きることを楽しむために生きる」というルナのセリフは、実際には刹那的でもなんでもなく、文字通り「楽しく生きるための策」といえるのではないだろうか。

で、その価値観の違いが、「パンフレット係」のときに露呈してしまうのだが・・しかしリュートも「スポーツカーは好き」なのである。「好きだけど、ああはなれないなあ」と思っているのだろう。でもルナは実際にそれを行動でやってしまう。

「価値観の違い」は、「陰キャと陽キャのカップル」を描くにあたって、どこかで出てくる問題だとは思っていた。それがここで出てきたのだろう。

ラスト付近にも付箋が貼ってあり、すごく書きたいのだが、それを書いてしまうと読む楽しみが台無しになりそうなので我慢することにする・・。

山名ニコルの冒頭の伏線がどう回収されるか、それがメイン・ストーリーにどういう影響を及ぼすか、リュートとマリンの関係に変化は訪れるのか、リュートとルナは「価値観の違い」を乗り越えられるのか・・・、が今巻の見どころというところだろうか。

もっとも、そんな難しいことを考えずに「ルナがかわいい」だけで読み進んだほうがいいとは思うのだが・・。

さて、作者の長岡マキ子先生にとっては、ずっと「2巻の壁」があったそうである。「3巻が出せない」ということである。作中のルナも「2ヶ月の壁」があった。どの男性と付き合っても「2ヶ月で破局してしまう」のである。

ルナが「2ヶ月の壁」を破ったように、マキ子先生も「2巻の壁」を打ち破り、見事に3巻を発刊!

そして、4巻出版確定!(多分)

そしてオーディオ・ブック発売!

おめでとうございます!

特設ページ

↑上記特設ページに行けば見れるのだが、PVがあったので載せておく。

麻倉ももが“経験済み”の女の子を演じる『経験済みなキミと、経験ゼロな俺が、お付き合いする話。』PV

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