ついに5巻。
ヒロイン3人の話を順繰りにやってきて、次は何かと思っていたら、
美濃彩華と志乃原真由、二人と関係がある戸張坂明美という人物が現れる。
この3人は同じ中学のバスケ部員で、彩華が主将、明美が副主将であった。
主人公の羽瀬川君は、彼女らの過去に何があったかを知らない。今、ずっと語られなかった3人の過去が明るみに出る・・・、という巻である。
ここでアマゾンのあらすじを見てみる。
後輩・真由との“お試し交際”を経て、心の距離が近づいたように感じる梅雨の季節――
そんな俺と親友・彩華の前に、彼女たちの中学時代のバスケ部副将・戸張坂明美が現れる。
「仲良いねーほんと。君らやっぱ付き合ってんの?」
気安く冷やかす明美に、どこか塩対応な彩華。
バスケサークルのマネージャーとして馴染み始めた真由にも、なにやら関わりがあるようで……。
「過去を共有して、清算して。それで先に進めることもある。……私はそう信じる」
明かされたあのクリスマスに繋がる過去と因縁に、親友として、先輩として――今の俺にできることは。
ちょっと大人の青春ラブコメ、自覚と再出発の第五巻!
各人各様の「恋愛観」なり「人生観」なりが語られるのだが、志乃原は以前の巻でも少し語られていたように「恋愛感情がわからない」らしい。それは両親の離婚という事件があったからというのもあるし、他人の恋愛に興味がない、というのもあるのだろう。ただ、その志乃原も羽瀬川君との出会いで変化してきているようだ。
今巻は特に、彩華、志乃原、明美の3人にターゲットが絞られているため、礼奈の出番は少ない(ないわけではない)。
彩華サイド、志乃原サイドから見た「中学時代」が語られると、
明美はしょうもないな!
と思ったが、最後に明美サイドからみた「中学時代」が語られると、
お前も大変だったんだな!
となってしまった・・・。人はそれぞれ自分が主人公のドラマを生きている、ともいうが、各人視点で語られるとよくわかる。明美視点から見てみれば明美もかわいそうでいっぱいいっぱいな人生を送ってきていた。
また、彼女らがそれぞれ中学時代から変わってきたように、羽瀬川君も志乃原との出会いを通じていろいろな変化があったことが今巻で伺える。
今巻は志乃原との小気味よいやりとりの応酬ばかり・・というわけではなく、全体的に少し重めの話ではあったが、「あらすじ」にもあるように、彼らが「再出発」する上では欠かせない話であった。
なお、この「カノうわ」であるが、コミカライズもされた。
なお、イラストの雰囲気がだいぶ変わったような気がしたのは私だけだろうか・・・。
全体的に線が丸っこくなったような気がして、違和感があった。ただ、イラストレーターはこれまでと同じ「えーる」先生であるから、描き方を変えたのかもしれない。
なお、現在1〜3巻まではkindle unlimitedにおいて無料対象になっているので、読み始めるにはいいかもしれない。
コメント