あの鬼教師が僕の姉になるんですか?3 (講談社ラノベ文庫)

ラノベ

1巻と2巻のレビューも書いていないのに、いきなり3巻のレビューである。

実は以前、途中まで書いたのだが、どうも面白い文章にならず、消してしまったのだった。

しかしその後2巻が出て、3巻が出て、しっかりと読んでいたために、さすがに書かないのも変だなあ、と思い書くことにする。

しかもきわめて異例なことに、アマゾンのレビューが一つもない。発売は2021年4月2日なのに!(現時点は2021年10月26日) ただし評価は高い。「星5つ中の4.4」である!

この話は、親同士が再婚したことによって義理の姉弟になってしまった二人が、同じ高校の生徒と、その担任である体育教師であった、ということから始まる、どちらかといえばコメディー路線の話である。

ヒロイン(姉)は獅那舞姫しいなまきという人で、主人公(弟)は、真城一樹まきかずきという。

姉は体育教師だが、大変な美人でナイスバディー。当然運動好き。そして大の弟好き(ブラコン)。これは弟ができたから好き、というレベルではなく、弟ができる前からブラコンであったらしい(?)。

それに対して一樹君はインドア派。実は作中においてもよく漫画を描いたりイラストを描いたりしている。最初は描く絵がどうしても姉に似てしまったりしたようだが、2巻において、「姉との同居生活を描くラブコメ(?)(作品まんま)」を描きあげ、新人賞に応募した。それが彼なりの挑戦である。3巻ではそちらのほうの進展も描かれるのだが、

今巻の主題はどちらかといえば、

姉弟で満喫する秋

という感じであった。序盤は体育祭の話題。

体育教師の姉を悲しませたくないという理由で「パン食い競走」の修行を積む一樹。

こうやって読んでいると、「パン食い競走にコツとか必勝法とか、あったんだ・・・」と驚いた。

(なお、コーチは姉)

姉が体を動かすことが大好きなのに弟が漫画やイラストが好きでは、なかなかうまくいかないのではないか、と思ったのだが、別にそんなことはなく、二人は順調に仲良くなっていくのである。これが10代の柔軟性か・・・。

一樹君も毎日ランニングをするようになり、出会ったころよりは体力もついてきたらしい。

後半は「温泉旅行」であった。姉弟二人で秋の温泉旅行。なんだかいかがわしい響きがなくもないが、健全な旅行(?)である。

「なんだか主題があっちこっちにいくなあ・・?」と思っていたら、大きなカテゴリーで「姉弟で過ごす初めての秋」という括りでまとめられることがわかった。

ただまあ、その・・・。二人の生活はまともに映像化したらちょっとマズいものもいろいろあったりする・・・(本編をどうぞ・・・・)

それはともかく、弟を喜ばせるため奮闘する姉(そして大体失敗するポンコツっぷり)と、姉を喜ばせようと一生懸命な弟、という「健全」な目で見るならば、なかなかに微笑ましい。

最初の印象だと、

この二人でうまくいくはずがない!

だったが、実際にはうまくいっているのである。事実は小説よりも奇なり・・・(これも小説だけどね・・・)。

著者の「猫又ぬこ」先生の本は、他に何冊か読んだ気がする。

と思ったら、これであった。

なお、「あの鬼教師〜〜」だが、すでにコミカライズされている。

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