きれいなお姉さんに養われたくない男の子なんているの?2 (GA文庫)

ラノベ

ということで1巻に引き続き2巻である。

1巻ラストのほうでは、裏技的なものを用いて主人公・一之瀬瑛太君との同居を「法的に合法」とさせた「大金持ちのお姉さん」であったが、今巻では、彼女の所属する芸能事務所の社長に同居がバレる。そして「お姉さん」の正体は「売れっ子女優」だった!(あらすじに書いてあるから書いてもいい!)

この社長は知華ちかさんといい、芸能事務所「セカンドハウス」の社長である。だが「セカンドハウス」はこの社長とお姉さんの二人しかいない。それまではどうだったのか、なぜ今こうなのか? そのへんもあらたな伏線になってくる。そして、謎に包まれた瑛太君の母とは、どういう人だったのか? 

今巻は最初から「あの話を瑛太君にしないと・・・」と思いつつ、何度もその話をしようとしつつ、結局は断念してしまう「お姉さん」が描かれる。

ラストの部分でそれは明らかになるが、なるほど確かに重い事情であった。

タイトルが示すとおり

お姉さんに養われてハッピー

という話にはならず(いや、そういうふうに読んでいる方もいると思うが)、主人公・瑛太君が、お姉さんとの出会いを通じて「己の半生の謎を知る」といった話にもなっている。

また、謀らずも、お互いがお互いのことを知らないときに二人が会っており、それによって廃人同様であったお姉さんにやる気が蘇り、事務所「セカンドハウス」の復興がなった・・・という事情もあり、どこかこの主人公とお姉さんの間には見えない「糸」のような数奇な縁を感じる。

それぞれのタイミングが絶妙に絡み合い、どちらかが運命に屈しそうになったときにもう片方がそれとは知らずに助けているのである。

そういったことは我々の人生にも日常的に起きているのかもしれない。

この話は瑛太君がお姉さんの家で養われる(ただし家事全般こなす、お姉さんのスケジュールの管理をするという仕事つき)ようになってわかったことであり、そうならなければわからなかったであろうからだ。

お姉さんの瑛太君に対する一途な愛は単に「助けてもらったから」というのでもなく、「一年間コンビニで瑛太君が働くのを見てきた」ということもあるのだが、単に「恋愛感情」・・かもしれないが、それ以外のなにかも入っているような気がする。それが何なのかは現時点ではわからないが・・。

また、この話は3巻もあったので、今は3巻を読んでいる。3巻で完結なのかまだ続くのかは今の時点ではよくわからない。

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