また別シリーズに手を出してしまった・・・がしかし、読みたかったのであるから仕方がない。
主人公の「一之瀬瑛太」君は両親が早くに離婚し、父親に育てられた。この父親が戦場ジャーナリストのため、まず日本におらず、その上よく生死の危機にさらされているが、ちゃっかり毎回生還している。というわけで、瑛太君は一人で家事全般をこなし、コンビニのアルバイトで学費を稼ぎながら高校生活を送っていたのだが、その父がある日海外で捉えられたというニュースが入る。その日のうちに、彼が住んでいるマンションの家賃が4ヶ月分滞納されていた(父親が支払っていた)という理由で、退去命令、そして、アルバイトも即日クビになってしまう。
「父親がああいう人だとちょっと・・・」という理由である。海より深い理由がないと瑛太君が可哀そう。
そのときかけつけたのが、瑛太くんが勤めていたコンビニの常連客のお姉さんであった。このお姉さんいわく、
私の専業主夫になってください!
である。
・・・・・。
もちろんお姉さんは美人である(?)。男子高校生の夢のような生活がスタートするかと思いきや、瑛太君は
真面目だった。
即刻断ってしまう。しかし住む家もないのは困った・・・そのため、「とりあえず一日だけ」ということで泊まらせてもらうことにする。
ここから彼と「お姉さん」の共同生活が始まる。
お姉さんの名は「・・・・」(書こうと思ったが「あらすじ」に書かれていないため、どうやら書くとマズイらしい)。ということでここでも「お姉さん」で通すことにする。
作者の柚本悠斗先生は、かつてここでも取り上げた、
この作品の作者である(このブログ、過去にサーバーが一度飛んでいるのだが、飛ぶ前のサーバーで書いていた気がする)。
読んでいくうちに、「シチュエーションに既視感が・・・?」と思ったら↑これとどことなく雰囲気が似ていることに気がついた。
私は著者名をあまり読まずに買ってしまうことがあるので、同じ作者だということに気づいていなかったのである。
さて、この話にはいくつかの謎がある。
- 「お姉さん」の正体は?
- 「お姉さん」はなぜ主人公のことが大好きなのか?
- 瑛太君の父とお姉さんの関係は?
- 瑛太君の母はどういう人だったのか? お姉さんとの関係性はあるのか?
というもろもろは、読み進むにつれて次第に明らかになっていくのだが、1巻においてはもう一人重要な登場人物がいる。
女性警官の二宮朱音さんである。この方は、瑛太君が一人暮らしであることを知ると、少年課の警官ということもあり、親身にお世話を焼きにくるようになり、「お姉さん」が現れる前は瑛太君の唯一の女性関係(?)者であった。
ただ、朱音さんのことも「あらすじ」では触れられていないので、あまり書くとマズイ案件なのかもしれない。もしくは些末な出来事なのか・・。
各章ごとに「お姉さん視点」の話が挟まれるので、読者は俯瞰的にストーリーを追うことができるようになっている。
何より、瑛太君の性格がよい。とにかく真面目。
大金持ちのお姉さんがしょっちゅう札束で物事を解決しようとするのに対し「それは受け取れません」と全部断っている。
(ストーリーの都合からして、嬉々としてお姉さんの誘惑に乗るようだったら別ジャンルになってしまうであろうし・・)
なんとなく読み始めたシリーズであったが、1巻が面白かったので2巻も読むことにした。
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