わたし以外とのラブコメは許さないんだからね(2) (電撃文庫)

ラノベ

・・・・表紙が見たことのない人なのだが・・・・。

と思っていたら、「新キャラ登場」であった。

なおかつ、主人公・瀬名希墨せなきすみの中学時代の部活の後輩、である!

幸波紗夕ゆきなみさゆである!

ラブコメのセオリーとか、そういうものなのだろうか。しかし今までまるっきり話題に出てこないキャラの登場とは・・。

次々ヒロインが増える現象

略して「ツヒフゲ」とか呼んでみてもいいところの、そういう現象である。

このさゆさんは、主人公を「きー先輩」と呼ぶ。

あらすじにすでに「さゆから告白される」と書いてあったからこれはネタバレではない!

何しろ、瀬名くんでさえ、このさゆさんが同じ高校に進学していなかったのだから、知らないのも無理は、ない・・といいたいところだが・・。

「中学時代、朝が弱いさゆのために毎日迎えに行って一緒に中学に行っていた」ともなれば、逆に

なんで疎遠になったの?

といいたくもなるが、もちろんちゃんと理由があったので仕方なかった。

とりあえず「さゆさん登場」である。

そして告白である。その後どうなったかは「あらすじ」には書かれていないので、ここでは触れられない。

どうも飄々として「どこまでが嘘でどこまでが本心か」がまるでわからない、掴みどころのない後輩・さゆ・・・

が、今巻のヒロイン、である。

もちろんヨルカも出る。

瀬名くんをとりまく人間模様の一覧を作ってみると、こんな感じ

  • 瀬名希墨(主人公)
  • 有坂ヨルカ(ヒロイン)
  • 宮内はるか(背の小さい女性。ヨルカを「ヨルヨル」、瀬名を「スミスミ」と呼ぶ。通称「みやちー」)
  • 七村竜(瀬名君の親友(?)。瀬名くんが退部したバスケット部のエース)
  • 支倉朝姫はせくらあさき(クラス委員で、一年のときから瀬名くんとともにクラス委員だった)
  • 幸波紗夕ゆきなみさゆ(瀬名君の一年後輩。かつては同じ中学のバスケット部員だった)

と、こんな感じなのだが、大体イラストは瀬名くんかヨルカさんを描いたものばかりなので、他の方々の容姿はよくわからない。

このうち、

宮内はるか=瀬名君がヨルカに告白する以前に瀬名君に告白し、ふられる。

支倉朝姫=クラス委員を一年瀬名くんと行ったことで、いつしかそれが恋心に発展。1巻ラストで、ヨルカが衝動的に「別れよう」発言をした直後に瀬名君に告白し、ふられる。

という関係性。気がつけば瀬名君にモテ期なるものが到来していた・・・。

ところで、この「支倉朝姫」という人には、ちょっとイメージ的に重なる人物がいる(「朝」の「姫」と書いて「あさき」という名前もインパクトがあるが・・・)。

西尾維新の「物語シリーズ」の羽川翼さん、である。

「傷物語」のエピソード中で、最初に主人公・阿良々木君に近づいたのは羽川さんであった。

羽川さんも、「これからじっくりと仲を深めて・・」とか思っていたかもしれない。

ところが、その後現れた「戦場ヶ原ひたぎ」によって、阿良々木くんはかっさらわれてしまう。

その「存在の在り方」というべきか、それが「支倉朝姫」にダブる。どちらもクラス委員で、主人公もクラス委員。

そして、こちらの支倉さんは、知らぬ間に瀬名くんをヨルカにとられていた、という・・・。

今回のヒロイン、さゆも、「先輩はあの性格なんだから、いいよってくる女子などおるまい」とたかをくくっていたのだが、

いざ高校に入学してみたら瀬名くんにモテ期が到来していた・・・なんというタイミング。

この話の特筆すべき点は、「ヒロインのよさ」ではなく「主人公の隠れたよさ」が随所で語られているところである。

「無自覚に人に合わせられる」「悩みを真摯に聞く」「一見地味だが常に全体を見て行動する」などなど。

瀬名くんを好きになる人が、「なんであんなのを好きになるんですか!?」という。「だから自分だけが彼の良さを知っている、だからふられるわけがない」と思う・・・。

今巻では、ほとんどさゆさんに紙幅が割かれているが、彼女が何を思い、なぜそういう行動に出たのか、そういった部分が描かれる。

ここでは、各キャラにおける「恋愛とはこういうもの」という恋愛論が語られるが、個人的には「恋愛関係になれないからといって友達にさえ戻れないのは面倒くさい」という気がする。

「恋愛関係になれなかったらあとは憎しみの対象」というのも好きじゃない。

だから、瀬名くんがどういう結論を出すのかというところには興味があった。

さて、3巻は「2021年春」の予定、だそうである。と思って調べてみたら、

4月9日発売

とのことなので、ではあと一ヶ月後か・・。楽しみに待つとしよう。

ちなみに、瀬名君の担任である「神埼紫鶴かんざきしづる」先生は、今回もカッコよかった(私視点では)。

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