青春ブタ野郎はナイチンゲールの夢を見ない 『青春ブタ野郎』シリーズ (電撃文庫)

ラノベ

「青ブタ」シリーズ最新刊・・・・を買っておいて読んでいなかったものを読んだ。

なんとなく、主人公・梓川咲太(あずさがわさくた)君が高校を卒業したらシリーズが終わると思っていたのだが、続いている。

大学に進学しなかった国見君は消防士としてすでに働いているし、双葉理央は、なぜか相変わらずというか、咲太君へのあたりが強い(ように感じる)。

このシリーズが「青春ブタ野郎」というのは、一体誰がそういったのかといえば、理央の「そんなやつはブタ野郎じゃない?」というセリフしか思いつかないのだが・・・。

ということで、今回は、「霧島透子」を名乗る人物がミニスカサンタ姿で現れる。どうやら咲太君にしか見えていないらしい。

霧島が言うには「思春期症候群をプレゼントした」と。そしてその相手の中に、咲太君の中学生時代の同級生・赤城郁実(あかぎいくみ)がいて・・。

「霧島透子」は前巻あたりから出てきた人物だが(忘れていたが前々巻であった)、まるで正体が不明。「動画サイトの中にしかいない」というが、実在すら不明。人間なのかすら不明。

このシリーズも巻を随分重ねてきたためか、名前を見ただけでは思い出せない人物が増えてきた・・・。

かろうじて、妹の花楓(かえで)の友人・琴美については思い出したが、あと数人思い出せない人物がいたりする。

さて、今回のメインな脇役(?)はもちろん、赤城郁実である。

赤城さんと咲太君の間には、何か特別な縁でもあったのだろうか? 実はないのだ。

だからこそ謎は深まってゆく。

そして、「中学時代の同級生」というのがキー・ポイントだった。

中学時代、咲太君はどうであったか。妹の花楓さんがいじめにあい引きこもりになり、咲太君は全身に意味のわからない傷を負うようになった。

「思春期症候群だ」と言ったが、当時の誰も信じてはくれなかった。

やがて咲太君も孤立した・・・・。

ここまで書いて「なんかどこか読んでない巻があるような・・・?」と思い調べてみたところ、

↑これの記憶があんまりないような・・・・? と思ったが、開いてみると一応最後まで読んだことになっている。どうも忘れてしまったらしい。

ただ、今巻はこの↑第9巻のイメージが元になっているフシがあるので、ここの記憶が曖昧だとすっと入ってはこないかも。

そして、この第9巻ラストに「赤城郁実」は出てくるのである。

さて、今巻はその咲太君の「暗黒の中学時代」の同級生の話なので、当然彼女のこともほとんど覚えていない。

だが、それは問題ではなかった。「赤城郁実」が咲太君から何を感じ取ったのか、ということが事件の真相に近いところにあった。

今巻の「思春期症候群」は、「誰かが夢を見るとそれが現実になる」というもの。

赤城はその「事件」を防ぐために奔走するのだが、咲太君には、赤城がなぜそこまで「事件が起きるのを防ごう」とするのかがまるでわからない。

これ以上は本作品を読んでいただきたい。

まるで、サイコ・ホラーのようだったが、面白かった。

とはいえ、私はとりあえず9巻を読み直したほうがいいかもしれない・・・・。

そして、「霧島透子」は今巻少し出てきたが、まだ謎は解明されておらず、むしろ深まってゆくばかりだ。

今作品において一番のターニング・ポイントは「翔子さん」を助けたことで世界が改変されたあたり(7巻)だと思っていたが、それと同規模のドラスティックなターニング・ポイントが、今後起きないとも限らないのだった。

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