1日で読み終えたので感想を・・・と、思ったのだが、
困った。
何を書いてもネタバレになるパターンだ。
と思い、Amazonレビューを参考にしよう、と思ったのだが、
誰一人として本筋に触れずに書いていた。
そりゃそうだろうと思う。前回書いたところからすべてが「ネタバレ」になってしまう。
ただ、
すごいものを読んだ!
という感慨が残った。何度か涙が出た。
とりあえずおさらいとして、前巻で「ベルがシル(フレイヤ)を振って」しまう。
求愛を断ってしまう。
で、フレイヤ(?)は史上最大の暴挙に出た。
その暴挙について書くと即座に「ネタバレ」になるため、ここでは触れないでおく。
ヒント的なものとして、ある作品を思い出した。
それは「涼宮ハルヒシリーズ」の、映画化もされた「涼宮ハルヒの消失」である。
別の世界線。ありえた並行世界。
「世界に違和感を持つ」ということが許されるのか。
かの○○○○神ですら、「ループしてるんじゃないか?」と気がつくのだが、気がついたときにはリセットがかかる。
この辺は同じく「涼宮ハルヒシリーズ」の「エンドレスエイト」を彷彿とさせた。
終盤で見せた、このシリーズ初のヘスティアの権能には鳥肌がたつ思いであった。
いつもはただのドジっ娘なのに、やるときはやるんだなあ、
とか思ったものである(ヘスティア様すみませんm(_ _)m)。
また、これまで私は少々勘違いをしていた。
ベルくんのアイズ・ヴァレンシュタインに対する「思い」は「憧憬」だという設定になっているわけだが、
それは「文字通りの憧憬」であり、色恋沙汰の「憧憬」ではないと思っていた。
つまり「剣士として憧れる」とか「冒険者として憧れる」くらいの話かと思っていたのだ。
しかしどうやら違うようだ。
また、前巻で出てきた「ヘルン」がいい味を出していた(今巻も出てくる)。
しかし、結局「ヘルン」と「フレイヤ」と「シル」は一体どういう関係性なのか、というのは、本作を読んでも今ひとつピンとこなかった。
大雑把には理解できるのだが、よくわからない。
また、作中に出てくる
『 』
↑これの意味が、やっぱりわからなかった。これはフレイヤ外伝にも出てくる表現なのだが、
↓これ。
結局のところ何を指しているのか不明なままである(既出の表現なのでネタバレではないはず)。
また、フレイヤがよく使う、「伴侶」という単語があるのだが、これの意味は、
オーズ=古代ノルド語で、「フレイヤの夫」
を指すらしい(参考:Wikipedia「オーズ」)。
オーズはしばしば長旅に出たが、ある時はいつまでも帰ってこなかったため、フレイヤは夫を恋しがって世界中を探した。
とあるため、フレイヤがあちこちに旅して眷族を連れてくる、というのもその延長なのだろうか。
しかし別の疑問がわきおこる。
この世界には「オーズ」は最初からいなかったのだろうか?
というものである。
この世界においては、「神は不変」ということになっているため、「今いない」ということは「過去もいない」ということになる(天界送還されていなければ)。
「この世界」で扱う神々は、地球の様々な神話から取り入れられたものだが、「オーズ」だけがいない、そんなことがあるだろうか。
「ゼウス」と「ヘラ」という存在はいたのに。
そこが少々気にかかるが、「この世界ではそうなのです」といわれれば、「アッ、ハイ・・・」というしかない。
いつもであれば、「自分のペースで普通に」読むのだが、今回ばかりは「引き込まれすぎて」読まざるを得なかった・・・。
また、「シルが振られた」ことで、今後のリュー・リオンも立ち居振る舞いが変わってくるかもしれない。
今巻においては、外伝エピソードの「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか ファミリアクロニクル episodeフレイヤ」を読んでいなくても分かる内容になっているため、
「フレイヤ・ファミリア」の内部事情が、本編にてようやく明かされた巻となった。
ベル君の「恋愛初心者ぶり」は某レビューで不評だったが、私は好きだ。
冒険者がみんな恋愛に敏いほうが、なんだか違和感がある。
今巻に限っては、意外な人物が大活躍する。
一種の「推理モノ」のようでもあり「並行世界SF」のようでもあり、「世界に抗うストーリー」のようでもあり、「サイコ・ホラー」のようでもある今作は、間違いなく私の中で、
傑作だった。
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