魔王を倒した俺に待っていたのは、世話好きなヨメとのイチャイチャ錬金生活だった。 (HJ文庫)

ラノベ

先日、「俺の家に何故か学園の女神さまが入り浸っている件 (角川スニーカー文庫)」について書いたときに、

「今は普通のラブコメでは受けないらしい。ラブコメ戦国時代らしい。ラブコメじゃない作家たちが多数ラブコメ業界に参入してきているらしい」

というようなことを書いた(ちょっと違ってるけど)。

で、この本である。異業種要素がたくさんある。

  1. 異世界
  2. 魔王と勇者
  3. 錬金術

と、ここまで要素が入っている。しかも、主人公のイザヤ・フレイルは「魔王を倒した勇者」であり、「魔王はとっくに討伐済み」である。

最近はこの「勇者が魔王を倒した後の話」というジャンルも増えてきたような気がする。

「ヨメとのイチャイチャ〜」については、ヒロインの名前が「ヨーメリア」なので、略して「ヨメ」である。普通に「ヨメ」である。

イザヤは魔王を倒したとき、魔王が持っている莫大な魔力を引き継いでしまい、そのために国を追われる身となった。もともと一人で生きるのに慣れているイザヤは「食べるものは雑草(と塩)」で満足というライフ・スタイルだったために、森の中で好きな木工をして暮らすという隠遁生活を満喫していたが、あるときヨーメリアがスライム状のモンスターに襲われているところを助け、またイザヤが莫大な魔力を持っていることもばれてしまう。

この世界では「錬金術師」はほとんど女性である。というのは、「錬金術はもともとキッチンから発生した」とされているからで(料理?)、それは地球もそうだったはずなのだが、とりあえずこの世界では「錬金術師」は女性がやるものらしい。

そして、地域住民のための薬を錬成したりして生活している、薬剤師兼ヒーラーのようなものらしい。

そして、「物質を錬成するには魔力が必要」ということになっている。ただし魔力をどの程度持って生まれるかは先天的なものであって、後天的にどうにかなるものではないらしい。

ということで、ヨーメリア(ヨメ)は、イザヤと組めば、今は半人前の自分でも一人前になれるのでは、と考えた。

・・・というのはあるのだが、多分単純に「世話好き」という性格もあるのだろう。世話を焼きたがるヨメは、イザヤの「草を食べてれば生きていられる」というライフ・スタイルを見かねて、自分の家に連れ帰り、同居を始める。

ヨメは料理がうまいので、イザヤもさすがに「草があればいい」とは言わなくなってしまう・・。

イザヤがやることは、一日一回ヨメの手を握って「魔力供給」することである。

「まるでヒモだ!」と悩むイザヤであったが、実際ヨメの助けにはなっているわけで・・。

次第に登場人物が増えていく。

1巻では、「マリー」が登場。ヨメが「光」であるならばマリーは「闇」。とことん性格も真逆で、「孤独こそが至高!」という主義のマリーは、「イザヤ&ヨメ」の「イチャイチャ錬金術」に腹を立て、勝負を申し込むのだった・・。

kindle unlimitedでは3巻まで無料で読むことができ、現在5巻まで刊行されている。そして全部読んだので、全部レビューを書く。

ヨメはどちらかといえば「理系」の人のようで、「物事を筋道立てて論理的に組み立てる」傾向がある。

タイトルを変更して「理系女子との付き合い方」としても違和感がない。

なお、設定ではヨメが16歳、イザヤが18歳。

事件は起きることは起きるが、どちらかといえばまったりしており、読む進むにあたってやたらと不安に駆られるということもなく、楽しく読むことができた。

なぜかはわからないが読みやすい。また、自分が読んでいる本の中で「HJ文庫」の作品は「六畳間の侵略者!?」だけだったのだが、この本もまた「HJ文庫」であった。

イザヤ君の趣味は「木工」だが、彼が「ぷちあにさん」と呼ぶ作品群は要するに「かわいい動物」である(ぷち・あにまるさん、ということらしい)。

勇者であるがかわいい木工が好きなのである・・・・。人相は怖いししゃべらせると無愛想なのに。

・・・ところで、「なんか、イラストに見覚えがあるような・・?」と思っていたら、見覚えがあるどころではなかった。

以前レビューを書いていた。

どれもイラストは「ふーみ」さんであった。最近ご活躍のようだ。

個性的なイラストだと思う。

コメント

タイトルとURLをコピーしました