今日も生きててえらい!2 ~甘々完璧美少女と過ごす3LDK同棲生活~ (電撃文庫)

ラノベ

1巻が面白かったので2巻を待っていたが、これはあまり待たずに入手できた。

さてでは恒例のアマゾンからのあらすじを。


晴れて東条冬季と《特別な関係》になった高校生・稲森春幸。いつもの同棲生活を過ごしていたそんなある日――。

「ハル君! 助けてください!!」

 尋常ではない様子の冬季。聞けば、生徒会長の秋元先輩から生徒会への加入を迫られているという。
 俺と冬季が一緒にいる時間を守るため……どういうわけか、その決着は球技大会でつけることに――!?
 そこへ現れた後輩・八雲世良。俺たちの関係を知った彼女は、俺の人生の伴侶として冬季が相応しいかどうか見極めるそうで……。

「いいでしょう! 全て叩き潰して差し上げます!」

 平穏な甘々生活を守るべく、東条冬季は決意する――!


前巻真ん中くらいで存在だけ語られたバイトの後輩、八雲世良。この世良さんは春幸君を大好きであったが、聞けばいつのまにかどこから現れたかわからない謎の女と春幸君が仲良くなっているらしい、と聞きつけ、前巻ラストですごい剣幕で怒鳴り込んできたのであった。そして「あなたが先輩にふさわしいか私が見定める!」というわけである。

それに加えて、ヒロイン・冬季に現・生徒会長である秋元先輩という方が目をつけ、

「君、私のあとをついでくれないか」という。

一歩も退く気配もない。

そして、後輩の世良さんもまた生徒会役員である。

なお、途中で八雲視点の話が入るので、「八雲からは主人公はこう見えていたのか」というのがわかる。

話を秋元先輩と冬季さんに戻すと・・結局球技大会のバスケットボールで決着をつけよう、となった。

とはいえ、冬季さんだってバスケ専門プレイヤーというわけではないので、そこは主人公の親友・雅也が技を教えたりもする。

そして秋元先輩の人となり、であるが、ぶっちゃけると、

全部自分ひとりでやってしまう人

であった。「自分より能力が劣るものがいても助けにならない。むしろ私が助けねば」という人である。

彼女が生徒会を一人で回してしまうため、他の役員は雑用しかやることがない。そういう状態であり、

彼女いわく、「自分に似ている冬季に目をつけた」とのことである。

実は私も「冬季さんは一人でなんでもできる人だよね」と思っていたが、今回、その認識は大いに違っていたと思わされた。

一見似てはいるが、実は正反対の二人の勝敗はどうでるか・・・・。

あ、書くのを忘れていたが、冬季さんがこの勝負を受けた理由は「生徒会に入ると春幸君といる時間が減る」からである。それ以外に理由はない。

それと、読んでいて感心した部分がいくつかあった。それは春幸君の在り方なのだが、

大富豪に一方的に好かれて守られている立場というのは、自分だったら居心地が悪いかも、と思ってしまうのだ。何をやったら地雷を踏んでしまうかわからない。いつ機嫌を損ねてしまうのか、戦々恐々としてしまうような気がする。

だが、春幸君は基本的に冬季さんの話をよく聞くが、それについて自分でも考え、彼女が思いつきもしなかったような解釈を意見するのである。これは「意見さえすればいい」ということではなく、基本的には聞き役をやっているが、冬季さんが見逃しているような事柄をうまく見つけて、それを指摘するのだ。それによって二人の関係は良好に保たれている・・・ように思う。

また、春幸君視点でずっと続くため私(読者)もピンときていなかったが、「バイトをしながら家事もこなし、さらに成績を維持する」というのは冬季さんに言わせると「誰にでもできることではない」そうである。そう考えると、春幸くんはもともと自己評価が低いからわからなかったが、実は大変有能な少年なのかもしれない。

3巻が楽しみである。

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