うっかり書き忘れていたが、カレーに使われるスパイスは中医学(中国の医学)、および日本の漢方で使われる生薬と同じものがかなりある。
できるだけ調べて書いてみようと思う。
- ターメリック=鬱金(ウコン)
- スターアニス(バディアン)=八角(ハッカク)、大茴香(ダイウイキョウ)
- ガーリック=大蒜(タイサン)=にんにく
- シナモン=肉桂(ニッケイ)、桂皮(ケイヒ)=ニッキのこと
- ナツメグ=肉豆蒄(ニクズク)
- ジンジャー=生姜(ショウキョウ)、乾姜(カンキョウ)=しょうが
- カルダモン=縮砂(シュクシャ)
- ビッグ・カルダモン=小豆蔲(ショウズク)
- クローブ=丁字(チョウジ)、丁香(チョウコウ)
- コリアンダー=胡荽子(コズイシ)=シャンツァイ(中国)、パクチー(タイ)のこと
- ホワイトペッパー=胡椒(コショウ)
- サフラン=番紅花(サフラン)
- フェヌグリーク=胡蘆巴(コロハ)
- ローレル=ゲッケイジュヨウ(月桂樹葉)
- マスタード=芥子(ガイシ)、白芥子(ビャクガイシ)(白芥子はシロガラシのこと)
- レッドペッパー=蕃椒(バンショウ)=赤唐辛子のこと
- フェンネル=茴香(ウイキョウ)
- クミン=孜然芹(コウゼンキン)、馬芹(バキン、ウマゼリ)
- オールスパイス=三香子(サンコウシ)
- ディル=蒔羅(シイラ)
- キャラウェイ=姫茴香(ヒメウイキョウ)
※なお、「オールスパイス」というのが何なのか今まで知らなかったが、チョウジ(丁子)、ニクズク(肉豆蔲)、ニッケイ(桂皮)の香味を併せ持つ香辛料であるから「三香子(サンコウシ)」というそうである(「漢方薬のきぐすり.com」より引用)。
ただ、では「薬効」があるかどうかという話になると、アーユルヴェーダ的には「ある」となりそうだが、中医学では生薬ごとにきまった「処方」をしなければならない(例:この材料は煮る、この材料は焼く、など)。
そうしないと一定の方向性を持った薬効を持つにいたらない、とされる。
そういうことで、中医学視点でみるならば、カレーは「薬の材料を使っている」とはなるが、「薬そのものではない」となる。
しかし、鬱金、生姜、大蒜など、特に何の処方もせずともそれなりな薬効を持つものもあるので、「全く体によくない」ともいえない。
アーユルヴェーダ視点でみれば、「インドカレー」は素材ごとに決まったスパイスの組み合わせがあり、その中で作るわけだから「薬効がある」となるが、日本のカレーは特にそういった方向性を持った組み合わせではないことから、やはり「薬効を持つ」とは言い難い。
ただし前述のように、「特に何の処方もせずとも体によい」という材料がかなりあるので、おおむね健康にはよいといえるだろうか。
また、中医学の動物性生薬はインドカレーの材料にならないので、ここでは触れていない。
参考資料:カレーパフォーマー加藤のスパイスカレー探訪記、ウチダ和漢薬ホームページ、クミンcumin、健康カレー大学 スパイス学科、漢方薬のきぐすり.com、Wikipedia
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