待望の新刊。
前巻における「夏のバカンス」編が長引いたので、その話を決着させてから新章へ。
そしてこの「夏のバカンス」編の最後のところで、重大な秘密が明かされる。
それは・・・。
と、もちろん書きはしないのだけれど、ただ最初から違和感はあった。
それはこの帝国名。
なぜ、「ティア(涙)ムーン(月)」なのだろうか? およそ帝国名にふさわしくないのではないか?
まさかこのささいな疑問が全体の構造にかかわってくるとは。
また、ミーアがいくらがんばってもなかなか払拭できない「帝国の反農思想」にも関わってくるとは。
それはおいておいて、新章。
今回はレッドムーン公爵家のルヴィ・エトワ・レッドムーンから、なんと「決闘」を申し込まれてしまうミーア。といっても剣の決闘ではなく馬術競技大会の決闘だが・・。
前の時間軸のときには乗馬などやっていないミーアは、今回の時間軸では「ギロチンから逃げるため」という理由で乗馬に熱心。
とはいえど武門の家系のルヴィに勝てるほどではない・・・。さてどう乗り切るだろうか、という話。
今回もまた、結果的に見事な解決をしてティアムーン帝国の歴史を一つ変えたわけだが、この話の面白さは、一体どこにあるのだろう? と考えてみた。
いや、確かに面白い。面白いが、例えば「~~の話のような」と他の作品に例えることができない。強いて言えば「異世界転生モノ」として面白い、ということなのかもしれないが、
まるで、「Re:ゼロから始める異世界生活」のような、「人生をやり直したらよくなっていった」という爽快感(?)がこの作品の面白さではないか、という気がする(作風はまるで違うが)。
一応アマゾンの「あらすじ」にはこうあった。
元(?)ポンコツ姫の歴史改変ファンタジー
そういう括りでやっているのか・・・。
なお、「毒殺される」という運命の回避に全力を注いだミーアであったが、今度は「毒殺」は回避したが別の運命が待ち受けていた。1巻のときに登場した「運命を書いてある日記帳」はすでに無くなったが、今回はそれに変わって「ミーア皇女伝」がある(孫娘のミーアベルが、別の時間軸の世界から持ち込んだ)。それを読むと「行動の指針がたつ」という読者にもわかりやすいアイテム。ところで、「ミーアが毒殺された時間軸」からきた孫娘・ミーアベルが、まだ普通に存在している理由は、次の巻で語られるのだろうか? 実はこれもストーリーの根幹をなしていたりして、結構長く引っ張られるのかもしれない。
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