「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」の外伝である「ソード・オラトリア」とも違う外伝シリーズの1巻。
大昔に買った気がするのだが、ずっと読んでおらず、順番が逆になって先に「episode フレイヤ」を読んでしまったという有り様なので、「ではちゃんと読もう」と思ったのだが、
おや?
と思ってしまった。何やら既視感が・・・。
じゃなくて、これは知ってる話だった!
なぜかといえば、ゲーム「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか ~メモリアフレーゼ~」(略して「ダンメモ」)の方ですでにプレイしたシナリオだったからだった。
話は2つで、以下のようになる。
- リューが務める「豊穣の女主人」にて賭けで借金を作ってしまった男が娘を売ってしまったというのを聞き、リュー・リオンとシル・フローヴァがカジノにその娘を救出に向かう話。
- リュー・リオンがシル・フローヴァと出会い、「豊穣の女主人」の店員となり、そこにクロエ・ロロ、ルノア・ファウストが合流する話。
どちらもゲームでプレイ済みで話の内容は知っているものの、だからこそか、内容がすんなりと頭に入ってきて読みやすかった。
また、ゲーム・シナリオでは少々わかりにくかったところも、地の文で説明されているので「ああ、そうだったのか」というところもあったと思う。
そして、本編のほうではついに「シル・フローヴァ」の正体について明かされたため、その後でこれを読むといろいろ納得する伏線があることに気づく。
冒険者でありお尋ね者でもあったリューがなにゆえ「酒場の店員」になったのか、そこで第二の人生を歩めるのか?
この話の中では、至言といえるセリフがあった。
それは「豊穣の女主人」の店主、ミアのセリフで、
生きる理由なんて、うまい飯を食いたい、くらいでいいんだよ
(だったっけ?)
というようなセリフ。
まあ、確かに「他に何が必要なんだ」と言われれば「まあ、ないかも・・・」という気もする。
所属するファミリアが崩壊し、日々、闇派閥(イヴィルス)の残党狩りをして虚ろな日々を送っていたリューが、この酒場の店員になることで再び生きる意味を見出す、そのストーリー。
仲間がいなかったクロエ。
デメテル(女神)に勧誘されながら、デメテル・ファミリアに入ろうとしなかったルノア。
彼女らも、最初からおバカキャラだったわけではなく、そうなる理由があってそうなったということが、このエピソードには詰まっている。
このような外伝を読むと、やっぱり「本編以外の設定がいろいろあるんだなあ」と思う次第である。漁の神様であるところのニョルズ様というのは本編には一度も出たことがないはず。
となると、やはり「ソード・オラトリア」も読みすすめるべきか・・・と思う。
おまけ。
↑ゲーム「ダンメモ」にて使用された、「リュー・リオンとシル・フローヴァの出会いのシーン」である。
これはアニメにも本編にもないシーンなので、これを思い浮かべてこの本を読むと脳内イメージが補完できる。
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