世界一シリーズ5 ミズダコ

生物学

「ダイオウイカ」や「ダイオウホオズキイカ(コロッサル・スクイッド)」の後では少々インパクトに欠けるものの、この「ミズダコ」は世界最大の「タコ」である。

体長は3-5メートルに及び、最大の記録では、体長9.1メートル、体重272kgだとのことである。

10メートル近いタコに海中で遭遇したらさぞ恐ろしいことだろう・・・。

名前の「ミズダコ」は、「身が柔らかく味が水っぽい」から、とのことなのだが、近年はその「味」も再評価されているらしい。

というのは、もっとも食品として価値が高い「マダコ」の漁獲高が落ちているため、相対的に「ミズダコ」の評価が上がっているというのだ。

ミズダコが「水っぽい」というのはマダコと比較した場合のことであって、「食感としてはマダコよりミズダコのほうがいい」という意見や、「ミズダコの大きい吸盤がよい」という人もいるとのこと。

ここまで書いてきておわかりのように、ミズダコは、かなりの数食用に回される。

生物が巨大化するのに必要な条件として「食べるとマズイ」というのがあるのだが、ミズダコはどうも「わりとうまい」ようだ。

だからあまり大きくなることができず、その前に捕獲されてしまうのではないだろうか。

仮にミズダコが「マズイ」のであれば、実はダイオウイカ並に巨大になれるのではないだろうか。

ちなみに、「ダイオウイカ」は「大変マズイ」そうである。というのは、浮力を得るために大量の「塩化アンモニウム」を含むため、「独特のえぐみ、臭み」があり、それが食用には適さない。

では「ダイオウホオズキイカ(コロッサル・スクイッド)」はどうかといえば、これはそもそも発見例が少ないため食べた人はいないのではないか、と思ったが、「ダイオウイカ同様にマズイ」とのこと。

また、「生きた化石」とも称される「シーラカンス」も「マズイ」そうである。だからこそ姿かたちを現在まで保つことができたのだろう、といわれている。

ミズダコは、北海道・東北ではマダコの代わりに各種料理に用いられるとのことだが・・・、私は出身が東北なので、知らずにミズダコを食べていたのかもしれない。

西洋にある「クラーケン伝説」について考えてみる。

下記はWikipediaからの引用だが、


クラーケンノルウェー語等:Kraken)は北欧に伝わる「怪物」。タコイカなど巨大な頭足類のような絵が多い[1]

中世から近世にかけてノルウェー近海やアイスランド沖に出現したと伝わる。19世紀アフリカ南部アンゴラ沖に現れた海の怪物もクラーケンでないかと言われている。


「クラーケン」というのは↑こんな感じの生き物である。当時の小説などにも登場する。

フランス軟体動物学者ピエール・デニス・ド・モンフォール (en) が描いた巨大・頭足類(1801年公表)。
画像はパブリック・ドメイン

巨大なタコ、イカ、シーサーペント(大海蛇)、ヒトデ、ドラゴンの一種、エビ、ザリガニなどとして描かれてきた。

で、これのモデルが多分、「ダイオウイカ」なのではないか、とされているのだが、大きさの描写が異常なほど大きいのだ。

これもまたWikipediaからの引用だが、


15世紀アイルランド聖ブレンダン伝承に登場するクラーケン(らしき怪物)の場合は、島と間違えて上陸したブレンダンが祝福のミサを終えるまで動かずにいたと伝えられる。体長は2.5kmに及んだというこの“穏やかな”クラーケンには、クジラがその実体ではなかったかとの憶測がある。実際にクジラには漁業神海神と見なされる側面があり、このような逸話が世界中に数多く存在する。


↑このような規模である。この例では「クジラ」ではないかと言われ、なるほどというところもある。最大のクジラである「シロナガスクジラ」は、最大で33.6メートルにも達するとのことである。

となると、

シーサーペントはいるかどうかわからないから除外して、エビやザリガニは巨大になれないだろうから除外すると、「クラーケン」の候補としては、

  • ダイオウイカ
  • ダイオウホオズキイカ(コロッサル・スクイッド)
  • ミズダコ
  • シロナガスクジラ

といったところになるのではないだろうか?

「長さ」だけでいうなら、以前とりあげた「マヨイアイオイクラゲ」も入れられるかもしれないし、あれを見た人は「巨大なヒトデ」に見えたかもしれない。

ミズダコは世界最大のタコではあるが、「うまくて、マダコの代わりになるくらいによく捕れている」となると、なかなか巨大な個体は出てきそうにないかもしれない・・・。


参考資料:Wikipedia「シロナガスクジラ」「クラーケン」「ミズダコ」「ダイオウイカ」「ダイオウホオズキイカ

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