何度も「あなたへのお勧め」に出てくるので根負けして(ry
これは、
両思いになってからの話
だ、そうで、なるほど確かに告白シーンから始まる。
ヒロインは「有坂ヨルカ」、そして主人公は「瀬名希墨」。
「瀬名」はいいとしても、「希墨」はなかなか見ない名前だと思った。
「きすみ」という字を見て思い浮かべた風景はこうだった。
こう、水を張った容器に、一滴の墨をぽちゃんと落とした、そんなイメージ。たった1滴なのに、水は薄く黒く染まる・・・。そのような、
「たった一人でも、世界を少しだけ変える」というイメージをしてしまった。それは完全に私の思い込みなのかと思っていたら、そうでもないかもしれない。瀬名君は「ヨルカ」の世界を「少しだけど確実に」変えたのだから。
某アマゾンレビューでは「ヨルカがかわいい」という文章が乱舞していたが、
確かにかわいかった。
「面倒な過程はすっ飛ばしてその後のアフター話を読みたい」という需要が、最近とみに高まっているのではないか、と感じる。
また、「視点の変化」を取り入れていない作品はないのではないか、というくらいに、主人公視点とヒロイン視点が交互に描かれることが増えた。
確かに「ドロドロ」な過程はもういいから、「終わったあとのハッピーライフだけを見たい」という需要は確実にあるのだと思う。
ゲームでいえば、ハッピーエンドにたどり着いたその後の話だけを延々と見ていたい、というような。
それはさておき、瀬名君は担当教諭に見込まれて「有坂に接近せよ」といわれる。
ヨルカは特別なのだ。容姿端麗、学業優秀、一年生総代。休み時間になるとひっきりなしに誰かから告白されてしまうので、休み時間には行方をくらますようになった。
その居場所を把握して、なおかつ「有坂を学級に溶け込ませよ」という命を出したのがその先生。
神埼紫鶴という20代の教諭なのだが、凛とした佇まいで、何というのかクールビューティー・・・?
私としてはこの先生の方も気になるところである。
ということで、休み時間の有坂の逃げ場所として美術準備室を貸し与えたのが神埼教諭。そして1年かけて瀬名君が接触を試み、距離がじわじわと縮まり・・・・そして冒頭の告白シーンへ(猫の餌付けを連想させるのだが・・・・)。
ところがその告白の日はなんと終業式。ヨルカはいっぱいっぱいになってしまって、返事をほったらかして帰ってしまった。
これぞなんとかの生殺し。
そしてさらに二人共ライン交換なんてしかたことがなかったので、どっちから書けばいいのか、何を書けばいいのかで数時間も悶々と・・。
ヨルカはヨルカで「学校では今まで通り普通にしてほしい」というが、実際に心の距離が近づいているのだから、ほころびは出てくるものである。
まるまる一巻かけてほころびた、という感じだろうか。
また、私は「脇役」としか認識していなかった宮内(ふにゃっとした子?)と朝姫(委員長)もなんだかんだで絡んでくる。実はモブではなかったらしい・・・。
また、瀬名君はかつてバスケットボール部所属だったが、現在では帰宅部である。
そこにもこのストーリーの根幹をなす出来事があった。
そして、
瀬名はいいやつだなあ~~~
と私も思うのであった。
ということで2巻も買ったのであった。
心折れるような出来事が決して起きない、「ハッピーワールド」の話である。
このコロナ禍、こういう話があってもいいじゃない?
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