「読むべきか読まざるべきか・・・」というのが、この本と出会った心境であった。
なにしろ
泥酔彼女
というパワー・ワード。いったいいかなる話なものか。
結局読んでみたのだが、まあ、うん。
主人公の瀬戸穂澄君は高校生であるが、この家にほぼ毎日のように入り浸る彼女は和泉七瀬さん。主人公の姉の後輩にあたる。
穂澄君は姉と二人暮らしなのだが、そのため家事スキルが上がらざるをえなかった。そして姉は多忙でほとんど帰ってこない。
必然的に穂澄くんは七瀬さんの面倒をみることになる、というか「酒のおつまみ作り係」になってしまう・・・。
というのが表向きの話。
実はこの話は、「・・・」の話である(あらすじにないので書けない)。主題が別にあるのだ。
その主題を軸に、みな動いている。
情報が次第次第に出てくる感じで、叙述トリックというのではないが、
あ、あれはそういう意味だったのか
というのがじわじわと、あとからくる話である。
登場人物は大まかに5人。
主人公と泥酔ヒロインと、主人公と同じ学校の演劇部員と、主人公の姉と、そして主人公の姉が面倒みている女優。主人公以外は全員女性。
例によって
何を書いてもネタバレ
のパターンなので、ここはヒロインについて書いてみよう。
七瀬さんは、いつも楽しそう~~~にお酒を飲む。種類もなんでもいける。
基本的に「ちゃんぽん飲み」の人なのだ(酔いやすいとされているので、良い子はしないように)。
「いくら『泥酔彼女』と言ったって、いつも酔ってるわけじゃあるまい」
と思われるかもしれないが、これが恐ろしいことに、毎日毎晩主人公の家にやってきて飲んでいるのである。まるで我が家のように!
・・で、「じゃあ恋愛要素はないの?」と思われるかもしれないが、
それもあるのである!(「どこに!?」と思われるかもしれないが、それがトリック)
で、ある意味衝撃的なラストで終わっているため、次の巻も出るだろうから、
買わねば。そして読まねば。
このイラストもまた魅力の一つになっているわけだが、これは「加川 壱互」さんであり、
先日感想を書いた「氷の令嬢の溶かし方」のイラストと同じ方であった。
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察するに、だから「あなたへのオススメ」として表示されたのだろうと思う。
「次の巻も出るだろうから」と書いたが、紙版の発売は確定しており、予約注文受付中であった。よきよき。
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