ようやく、2巻を読み終えて再び1巻を読んでまた2巻を読み終えた。
夏の暑さで頭がまわらないのか少々時間がかかってしまったが、読み返していくつかわかった。
2巻で「綾乃」という人の存在が周防有希の口から出てくるため、「1巻で出てたのかな?」と思っていたらそんなことはなかった。文字通り唐突に「綾乃」の存在が示唆され、その後紹介される。
綾乃さんは周防有希の「現」従者であるが、かつては久世政近の従者であった。
その有様はまるで「忍び」のごとし。時代錯誤感がこの上ない。そもそも「周防家」というものの存在が時代錯誤感甚だしい。「旧華族」と言われてもピンとこないのではないだろうか? そこでWikipediaを調べると、「華族」とは、
華族(かぞく)は、1869年(明治2年)から1947年(昭和22年)まで存在した近代日本の貴族階級。
とある。つまり「今は存在しないがプライドは高い」のだ。周防有希さんはその「跡取り」であり、かつては久世政近君もその関係者であった。その関係が現在どうなのかということは、「あらすじ」に書かれていないので書けないのであった・・・。
ということで、もろもろ伏せながら書くわけだが、久世君は父子家庭である。父方の苗字を名乗っているため、現在は「久世」である。彼が「恋愛感情」というものを全く信じていないのは、家庭の有様の影響もあるし、幼少のころ「好きだったはずの誰か」の名前も顔も思い出せない、という出来事に起因する。
そして、久世君の通う「征嶺学園」というのがちょっと特殊な学校で、システムが把握しづらい。そのため、な〜んとなく読んでいると後で意味不明なことになってしまう。
今巻では、前巻で出番のなかった生徒会副会長の「更科茅咲」が登場する。現生徒会長・統也と付き合っている。通称「学園の征母」。
前巻ラストにて野球部とサッカー部のもめごとを解決した際、アーリャさんが「チークキス」なるものをするシーンがあるが、これがそもそもよくわからなかった。
調べてみたところ、ヨーロッパ圏のみの風習で「お互いの頬をくっつけあう」ものだそうである。ハグに慣れているアメリカ人でさえこれには戸惑うという。頬をくっつけた際に、口で「チュッ」と音を立てるやり方もあるとのこと。で、これだと実際にキスされたのかされてないのかよくわからない、ということになるらしい。
で、ようやく2巻の話に入るが、政近君とアーリャさんは二人ペアで生徒会に入会し、生徒会長立候補者として周防有希と闘うことになる・・・・のだが、そもそもアーリャさんが「生徒会長を目指す動機」ははっきりしない。どうも「そこに山があるから」的な意味で目指すようだが・・。政近としては「何かを目指す!」というアーリャさんの「在り方」が眩しくて、それで応援してしまう。
政近くんが自称「クズ」となった理由も今巻で大体わかるが、それは書けないのであった・・・。
後半では、かつて政近君が中等部にいたときに生徒会長選挙で負かした「谷山沙也加」から、よくわからない敵意を向けられ、この征嶺学園独特のシステムである「討論会」を挑まれる。
(この敵意の正体もあとで判明する)
谷山さんの狙いはなんなのか。アーリャと政近は勝てるのか!? というのが後半クライマックス。
また、1巻から時折出てくる、政近の「思い出せない好きだった人」は一体誰なのか?
1巻から、これも時折見せるマーシャ(アーリャの姉)の真剣な眼差しは何を意味するのか?
謎はまだまだある。
そして今巻のラストでもまた「イラストでロシア語」である。
能力はあるし努力も惜しまないが対人関係は今ひとつのアーリャさんと、それを横で見ていて適切なタイミングで支える政近君。
その関係の行く先はどこであろうか。
(じっくり時間をかけて読み返したために書きたいことがいろいろあってちょっと文章がグダグダになってしまった感がありまする・・・)
今巻では「ロシアンティー」というものの説明も出てくる。
作中においては「ジャムを口に含み、そのあとに紅茶を飲む」という感じであった。
政近君が「ロシアではティーは冬のものでは?」と問うと、マーシャさんが「それは家庭によるんじゃないかな」というくだりがある。
では実際どうなのか調べてみた。
ジャムを入れる…わけじゃない!? ロシアンティーの正しい飲み方
↑この記事を読むと、やはり「ジャムを舐めながら紅茶を飲む」というスタイルのようである。
これで見ると、イギリスで「ロシアンティー」といえばなぜか「レモンティー」のことを指す、また、「ジャムを紅茶に入れて飲む」のはウクライナやポーランドでの飲み方で、ロシアでは「ジャムを舐めながら紅茶を飲む」らしい。
またさらに「ロシアンティー」は日本での呼び名であり、ロシアでは通用しない、という記事も見つけた。つまりロシアにいって「ロシアンティーをください」といっても伝わらないらしい。
「ジャムをお茶請け感覚で食べながら紅茶を飲む」というものらしいが、その風習でさえ「ロシア全体の習慣ではない」そうである。なかなか難しい!
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