を、ようやく読み終えた。
とにかく暑いのでなかなか進まず・・・といってはみるものの、コロナ禍以降ず~~~っと「ラブコメ」ばかり読んでいたら、さすがに少し飽きてきたようで、
久々の「バトルもの」は存外に面白かったのだった。
さて「ユナイタル・リング編IV」であるが、まだまだ序盤のイメージしかせず、このままいったら「ユナイタル・リング編X」とかまでいくんじゃないだろうか。
前巻ラストでは、エギルの奥さんがやっている「インセクサイト」のユーザー(とアルゴ)が引っ張ってきてしまった、SAOのボス・モンスター(ザ・スカルリーパー)を思わせるモンスターとの闘いの途中であった。
キリト君とその仲間たち、及びインセクサイト組が必死になってもなかなか勝機を見いだせずにいるところへ、思わぬ援軍が! ・・さてそれは誰でしょう(ぜひ本編を!)。
というわけでなんとかボスを倒す。
キリト君が設営途中の街は「キリト・タウン」などと呼ばれ本人は納得いっていないようだが、皆がそう呼ぶのでそうなってしまうのだった・・。
そして、前巻においてキリトとアルゴがたまたま出くわした集会において「ムタシーナ」という謎の女にかけられた呪い。その呪いをかけたムタシーナは、「キリトを倒す」という宣言をする。キリトくんには敵の素性が全くわからないのに、である。
今巻の中盤クライマックスは、そのムタシーナ軍をキリト・タウンにてどう待ち受けるか、という作戦、戦闘である。
また、前巻までの流れでキリトに敵対する人間がたびたび話題にしていた「先生」なる人物の目処も、今回でなんとかつく。しかし、「それが誰なのか?」はわからない。なんとなくそういう話し方をする人が過去の作品に出てきていたような・・・気がしないでもない・・・のだが。
また、この話は「ユナイタル・リング編」とタイトルがついているものの、実際には「アンダーワールド編」とザッピングしたような話になっている。
そもそもの話、「アンダーワールド編」のほうは「アンダーワールドに入り込んだ侵入者を突き止める」という話であったはずが、謎ばかりが深まり、まるで進展していない。
そして前巻で出てきた、「ユージオ」そっくりの男性とはまた会えるのか? ここは安心してほしい。今巻でたっぷり出番がある。結局正体はもっと謎になっていくのだが・・。大方の予想を裏切るかのごとく「ユージオ」からは次第にかけ離れていくのだが、ということは、それを劇的に結びつけるような謎がまだ明かされていないのではないか。
考えてみれば、「ユナイタル・リング編」と「アンダーワールド編」両方に共通する登場人物といえば、キリト君以外は「アリス」と「アスナ」だけだ。この3名はほぼ常時行動を共にしているということになる(アリスはキリト君がリアル世界にいる間は一人になってしまうが)。
そして今巻ではついに、アリスの帰還を待つ(はず)の、コールド・スリープしているセルカ(アリスの妹)にまで話が及ぶ。
セルカはどうなったのか? また、当時の整合騎士団たちは一体どうなったのか? その辺の謎は次巻で明かされるようだ。
川原礫さんの話は面白いが、「今巻で謎が明かされるかも!?」と思って読んでいたら全く明かされず「次巻を待て!」だったりすることが多く・・・、また、一つの事件が複数巻にまたがることもしょちゅうで・・。だから結局次の巻も買ってしまうのだが、この「じれじれ感」とでもいおうか、そういうのがちょっと・・、まあ、長々と焦らされた結果解決すると安堵もひとしおなので、それもまたテクニックということだろうか。
そして未だに「ユナイタル・リング」とはどういうゲームで、目的は何なのか、というのがわかっていない。とはいえ今巻でまたもうひとつヒントがあった。アルゴの情報である。
ひょっとすると「何者か」は全「シード規格」の様々なVRMMOの統合をしたいのではないか、と私は考えてみたが、「なんのために?」でわからなくなる。そうすることで誰に何のメリットがあるというのか。またそもそも今回の事件を起こした黒幕がいるはずなのだが、その黒幕の正体はさっぱりわからない。
↑さきほど書いた「先生」も黒幕の一味なのだろうか?
「ソードアート・オンライン」のような「デス・ゲーム」と違って、「ユナイタル・リング」は「仮にゲーム内で死んでもログインできなくなるだけ」だから、それほど恐ろしいものではないとはいえ、これまでVR世界を「第二の世界」と捉えてきたユーザーが、その心地よい「VR空間」に入ることすらできなくなる、というのはある意味ではやはり脅威だ。
「ユナイタル・リング編」で明らかに立ち位置が変わった者がいる。それは「ユイ」である。これまでどおりの「ナビゲーションNPC」ではなく、なんと「ユーザー」としてコンバートされてしまったのだ。そのため「肉体を持たない、VR空間にしか存在しない生命」という意味では、実はアリスと同質の存在になったともいえる。
逆にいえば、「キリトとアスナの娘」という度合いが、VR空間においてはますます強くなった。
事件を起こしたのは一体・・・などと考えてみるものの、結局は読めばわかるということなのだった。
「ソードアート・オンライン」が最初に世に出たころはといえば「VR」といえば夢物語のような気がしたが、現在はVRソフトも多数出回っている。決して絵空事ではなくなった。ただし作中で描かれるような「フルダイブ型VR」は様々な問題のため実現しないと思うが、「ただのVR」だったら実現可能になった。
世界の進歩が早いというべきか、「世界で実現されることが先に創作物の中で実現化する」というべきか・・。
話は少しずれるが、作中において、アスナのかつての同期生というのが登場する。アスナはSAO事件のことを後悔してはいないし、仮想空間で得たもの、仲間を大事にしている。なのに、彼女を見るたびに「ひょっとしてあの日ナーヴギアをつけなかったらこうなったのかも」と思ってしまうのだ。
で、これと似たようなことが自分の身にも起きたわけである。某SNSにて、高校時代の同期生がコンタクトをとってきたのだ。やはりそういう存在を見ると「ありえた別の可能性」というのを、(別に今の自分に不満はないのに)考えてしまうのである・・・。
何かと、そのとき読んでいるラノベと現実世界がシンクロする、というのが私の場合よくあるのだが、今回もそれが起きてしまった、という感じだった。
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