以前私は、
海生動物ばかり取り上げている気がするけれども、陸生動物の世界最大はアフリカゾウの7メートルくらいなので、あまり書く気がしない・・・
などと書いたような気がするが、
そんなことを書いていたからか、そのタイミングで「世界最大の陸生動物の化石」というものが発見されてしまったのである。
いつか書こうと思いながら書くタイミングを逸してしまってこのタイミングになってしまったが、実はそんなことが起きていたのだ。
なんと、
体長40メートル!
体重110トン!
と、まるで「ウルトラマン」か何かの数字を見ているような錯覚を覚えるが、久々にそういうロマンのある動物である。
これは、「有史以来、陸海通じて世界最大」と言われる「シロナガスクジラ」の、
体長30メートル!
体重200トン!
をも上回るスケールである(体重はシロナガスクジラのほうが重いが)。
(なお、体長40メートル、体重110トンは「アルゼンチノサウルス」の大きさだが、今回見つかった化石はこれを上回る大きさになるかもしれないということである)
発掘されたのは9800万年前の「ティタノサウルス」の化石であり、1億年~9500万年前に生息していた巨大恐竜「パタゴティタン」をしのぐ大きさではないだろうかとされている。
なお、見つかったのは「パタゴニア地域のネウケン州にあるカンデレーロス堆積(たいせき)層の中から、尾の椎骨24個と骨盤および胸骨の一部」である。
ティタノサウルスの化石は南極大陸を除く世界中で見つかっているが、巨大な化石は大体パタゴニアに集中しているらしい。
アフリカゾウとの比較でいえば「約12倍」とのことであるから、今回取り上げた理由もわかっていただけるかと思う。
さて、参考にした記事をよく見ると、3種類の恐竜の話を出しているから少々ややこしいので、整理する。
- パタゴティタン
- アルゼンチノサウルス
- ティタノサウルス類
の3種類で、では「ティタノサウルスが世界最大か」といえば、話の文脈を読むと「(これまでの)世界最大はアルゼンチノサウルス」という仮定が伺える。
そこで、これら一つ一つを検証してみることにする。
- 「パタゴティタン」全長約37m、体重69.1tで、アルゼンチン・パタゴニア・チュブ州のセロバルチーノ累層で見つかったティタノサウルス類の竜脚類の属。今からおよそ1億年~9500万年前に生息していた。
- 「アルゼンチノサウルス」全長40m、体重110t。約9,550万 – 約9,390万年前に南アメリカ大陸に生息していた草食恐竜の一種。
- 「ティタノサウルス類」体重は90tに及ぶ、全長は定かでない。9000万年前-6500万年前の間に生息していた草食動物。
・・・という感じである。
ただし、ややこしいが「パタゴティタン」は「ティタノサウルス類」である。また、「アルゼンチノサウルス」も「ティタノサウルス類」である。
発見されたのは「ティタノサウルス」である、とあるが、「ティタノサウルス」を単体で調べてみると「体長12メートル」と小さい部類である。
そのため参考にした記事は、どこかがおかしいと思われる。
簡単にいえば、「パタゴティタン」「アルゼンチノサウルス」の両方とも「ティタノサウルス類」に属するが、同じ「ティタノサウルス類」の恐竜で最大級のものが発見された、ということなのだろうと思う。
そうでなくて文脈をそのまま読むとするなら、「(体長12メートルと、どちらといえば小柄な)ティタノサウルス」の「大型化石」が見つかり、今のところこれが世界最大ということになる。
「ティタノサウルス」を単体で調べてみると、生息していた時代は「約1億4,500万年前から6,600万年前(白亜紀)」となるが、「ティタノサウルス類」と前半が異なる。
いずれにせよ「ティタノサウルス類」は大型恐竜が分類されることが多いらしく、その中で最大級が「パタゴティタン」あるいは「アルゼンチノサウルス」だと思われていたが、それより大きい化石が見つかった、というのが正しいのだろう。
おそらくCNNの記事の「ティタノサウルス」は「ティタノサウルス類(の一種)」となるところなのだろうと思う。
詳細な記事は下記を参考されたい。
参考資料:Wikipedia「パタゴティタン」「アルゼンチノサウルス」「ティタノサウルス類」「ティタノサウルス」
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