kindle unlimitedで無料対象だったので読んでみた。
イラストに惹かれたというのもあるし(アングルと髪型がよかった・・・)、なんというか定番の「偽装カップル」ものなんだろうな、と思ったから読んでみたのだが。
この設定でもいろんな本がすでに出ているので、どうかな? と思ったのだが、予想外に面白かった。
幼馴染の「来海十色」(くるみといろ)と「真園正市」(まぞのまさいち)。
この二人はお隣さん同士な上に趣味も大体同じで、要は「オタク」である。漫画が好きでゲームが好きで、という感じ。
この二人が同じ高校に進学するところから話がスタートするのだが、中学時代は別々だった。というのは、正市君は少し背伸びをして進学校に通っていたからで、だからお互いの中学時代をよく知らなかった。
そして正市君は知らなかった。幼馴染の十色さんが、実は「かなりモテる」ということを・・。
高校生活がスタートしたら、もともと陰キャである正市君はこれまでと変わりなかったが、十色さんは毎日誰かから告白されたり、男女問わずモテてグループの真ん中にいたりと、「スクール・カースト・トップ」の座にいたのだった。
自分の部屋にいるときの十色さんと、学校で見る十色さんのイメージが違いすぎる・・困惑する正市君。
そんな正市君はある日、レアなトレーディング・カードが発売されるという情報をキャッチしたが、限定何名とかなので、一人で確実にゲットできるかどうかわからない・・どうしよう、と思っていたところへ、十色さんから提案が。
「あたしも並んであげるから偽装カップルやってくんない?」みたいな内容だった。
要は「男除け」である。だが正市君としても欲しいカードのためなら、ということで条件を飲んだ。ここから「偽装カップル」が始まる・・・。
のだが。いざスタートしてみると、正市君があまりにも冴えないので「嘘だろー」と思われる始末。あまり信用されていない様子。
そこで、「正市君の見た目をブラッシュアップさせる作戦」などいろいろやって・・。いろいろやるうちに、お互いの知らない面を発見したりしていくわけで。
作中に「最近だと幼馴染は負けフラグみたいなのあるじゃん? あれってどうなの?」みたいなセリフがあったと思うが、要は「幼馴染でも勝つ!」という意気込みだと受け取った。
ずっと正市君視点というわけでもなく、十色さん視点でも語られるため、お互いの心情の変化がよくわかる。
普段はあまり他の人のレビューは読まないのだが、今回読んでみたら、おおむね好意的なレビューが多かった。
なかなかの良作。続きがあるかどうかはわからないけれど、出たら今度は買います・・・。
イラストは「塩かずのこ」さん。この方の絵は最近何かとよく見る気がする。
よく見かけるも何も、この作品を手掛けた方だった。
そりゃあ見覚えがあるわけだ。
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