エプロンの似合うギャルなんてズルい (MF文庫J)

ラノベ

なんとなく日々、「~~の続刊が出た」とそればかり読んでいると、安定した面白さがある代わりに、世界が次第に狭まっていくかのような感覚を覚える。

ということで、また新しい作家さんに手を出したのがこれ。

ジャケ買いのようなものだろうか、表紙にやられた、のかもしれない。

読んでみて、

面白かった!

下記はアマゾンの「あらすじ」から引用。


クラスで人気の美少女・柚木あみるは金髪にメイク、派手なファッションのいわゆる「ギャル」だ。そして──俺の幼馴染でもあった。
中学時代にギャルデビューして以来話しかけづらくて、今やすっかり疎遠に。勉強が好きな俺と彼女とは住む世界が違うと思っていた。
ところが、ある日教師に頼まれて成績の悪い彼女に勉強を教えることをきっかけに、彼女と再び会話をするように。さらに彼女は俺の私生活にも侵入してきて──!?
「家事とかするの、ウチ好きなんだよね」「どう? ちゃんとお出汁とってるんだよ」
あれ? 俺とあみるって疎遠だったよな? ていうか、部屋を勝手に掃除するな!


昨今、「ギャル」が独り歩きして新しいジャンル化しているような気がしないでもないが・・。

ともあれ、主人公は、ラノベ主人公にはものすごく珍しい、「カタブツ」である。

「あらすじ」では「勉強が好き」と書いてあるが、そのようなものではない。「学生とはかくあるべし」というような古典的な概念を持っている、およそラノベの主人公らしからぬ人物である。

ヒロインの「柚木ゆのきあみる」は小学生時代に主人公・「鹿島翔一」君の幼馴染であったが、中学時代に疎遠になり、高校も同じクラスになったがやっぱり疎遠。

そんな二人であったが、担任から「あみるの成績があまりにひどいので、お前見てやってくれないか」と頼まれた翔一君が、仕方なくいやいやとあみるの勉強の面倒を見ることになった。

最初は学校の余った教室で勉強会をやるのだが、想像以上にひどい出来で頭を抱える主人公。時間がいくらあっても足りない。

「では仕方がない」と翔一くんの家で勉強をすることになったが、今度はあみるがブチ切れることになった。部屋が壊滅的に汚れているのだった。一気に掃除して洗濯して、夕食を作るまでやって・・・、「今後もお礼にお世話をしたい」という関係性になる。

というのが話の発端である。「ギャルもの」というのは今まで何度か読んだことがないこともないのだが、「感動する作品」というのはなかったかもしれない。が、これにはそういうエッセンスがあった。

また、表面的に見たのではわからない、人の苦しみ、優しさ。そういうものに思いを馳せた作品でもあった。

よい読後感を残した。2巻が出るのかどうかはわからないが、出るなら買うと思う。

ただ、この巻単独でも一応完結感はある。

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