一生働きたくない俺が、クラスメイトの大人気アイドルに懐かれたら 1 腹ぺこ美少女との半同棲生活が始まりました (オーバーラップ文庫)

ラノベ

一つ手前に書いた、「今日も生きててえらい!」が面白かったので、同じ作者の本を読みたいと思ったところ、岸本和葉先生(著者)の、

「ちょうど立場が別になったような話」、があったので、買ってみた。

「今日も生きててえらい!」では、主人公がヒロインのヒモになる話であったが、

こちらは主人公がヒロインの「専業主夫」になる話。

ところが、こちらのほうはアマゾン・レビューが高評価なのであった・・・。どういうことだろう。

それはさておき、まずはあらすじを引用。


専業主夫を目指す高校生・志藤凛太郎(しどう りんたろう)のクラスには、大人気アイドル〝ミルフィーユスターズ〟のセンター・乙咲玲(おとさき れい) がいる。
これまで関わることのなかった二人だが、ある日空腹で倒れかける玲に、凛太郎が手料理を振る舞うことになり……
「月三十万払う。だから毎日食べに来ていい?」
こうして二人の交流――半同棲生活が始まった。
一人暮らしの部屋へ押しかけてくる玲に、距離感を掴めない凛太郎。
そんな彼に玲が見せるのは、教室でもステージでも見せない無防備な姿で……?
同級生で大人気アイドルな美少女との、むずむず&ドキドキ必至な半同棲ラブコメ、開幕(スタート)!


・・・こういうシチェーションだと、同じ「オーバーラップ文庫」の

「月50万もらっても生き甲斐のない隣のお姉さんに30万で雇われて「おかえり」って言うお仕事が楽しい」などもあるのだが、

とりあえず読んでみたところ、こちらもなかなかよかった。

主人公が(相手も決まっていないのに)「専業主夫を目指す」、その理由は重いものがあったが、序盤はギャグ・タッチで進むのである。

主人公・志藤凛太郎君のクラスには、俗にいう「アイドル」がいる。乙咲玲おとさきれいという。

傍目には「偶然」に、「空腹で倒れかける玲に凛太郎が手料理を振る舞うことになり」、そしてこの縁のなかったはずの二人の共同生活(?)が始まる。もちろんバレてはならないし、玲さんは基本、家には帰る。

凛太郎君は最初から「一生働く気はない。専業主夫で生きる」と言っており、「クズっぷり」を隠そうともしないのだが、

中盤でその理由が明かされる。

具体的なことはもちろん書けないが、それゆえ「家事万能」になったし、目指した。

そして、一緒に御飯を食べるようになった玲さんも、アイドルという立ち位置ながら、悩み・葛藤を抱えており、それらがセットになって「凛太郎の料理が一番美味しい」となった。

凛太郎くんにしてみればワケがわからない。店の料理に自分の料理がかなうとも思えない。しかし玲さんにはそれが必要だったわけである。

それは、凛太郎君がいちいち覚えていないほどの、小さな「気配りの積み重ね」であった。

玲さんの好きなコーヒーの味を覚え、言われなくても最初から好みの味で淹れる、制服に皺ができていれば、本人の見えないところでいつの間にかアイロンをかけていたり、私用のシャンプーの替えなどもいつの間にかされている・・。凛太郎君はそれを「当たり前のこと」と言っているが、これは当たり前じゃない。その辺も彼の事情が絡んでいる。

「いつまでも隠してはおけない」ということで、玲さんが同じアイドル・グループの「ミルフィーユ・スターズ」の残り2名に凛太郎君を紹介し、彼の周囲は一変してしまう。

後半は、玲さんの「アイドルとしての夢・個人としての夢」を叶えるという話になり、凛太郎君もそこには絡んでくる。

タイトルに「1」とある以上、「2」も出るのだと思う。

なお、こちらは「オーバーラップ文庫」なのに対して、「今日も生きててえらい!」の方は電撃文庫である。同時期に2つの出版社から出版、そしてどちらも続刊、というのは珍しいのではないだろうか?

著者の岸本和葉先生は、デビューが最近の方かと思っていたらそうではなかった。

2015年にモンスター文庫からデビューしている。

下記はWikipediaからの引用。


2021年に第7回オーバーラップWEB小説大賞【前期】で『大人気アイドルなクラスメイトに懐かれた、一生働きたくない俺』が男性向け作品部門の金賞を受賞、『一生働きたくない俺が、クラスメイトの大人気アイドルに懐かれたら』に改題され書籍化された。


・・・で、それがこの本というわけである。

「今日も生きててえらい!」は2022年2月10日発売、

こちらの本は2022年2月25日発売であった(やっぱり近い)。

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