このシリーズも長くなったので、アマゾンからあらすじを引用。
【あらすじ】
サンクランド王国を出た元わがまま姫ミーアは、颯爽と馬に飛び乗った。“乗馬の達人”として、聖女ラフィーナに手解きをするためだ。調子良く遠乗りに出るも、盗賊団に遭遇! 何とか撃退した盗賊の頭は、騎馬王国の失われた第十三番目の部族——火族の末裔で、慧馬(えま)と名乗る少女だった。はるか昔に国を追われたという彼女の一族は、不作によって全滅寸前だという。馬術部の先輩・馬龍の頼みと極上のバターにつられて、敵対する十二部族との仲介役を、つい買って出てしまい……? 「民族紛争より、“おかわり”ですわ!」 自己流の外交戦術を携えて、いざ緊迫した族長会議へ! 天馬の姫(?)が勢いで大陸の悪芽を摘み取ってゆく、大人気歴史改変ファンタジー第10巻!
今回は主に「火族(騎馬王国の十三番目の失われた一氏族)」の話になる。
騎馬王国というのは、地球であってもやはり扱いは似ていて、そのへん8~12世紀あたりの中国を舞台にした小説などを読むと理解しやすいかもしれない。
こういうようなものとか↓
騎馬民族には「国境」という概念がない。馬のいるところが彼らの「国」である。
さて、この本に出てくる「騎馬王国」では、ミーアの先輩にあたる林馬龍が主に接点だったわけだが、今回はその騎馬王国の全貌にスポットライトを当てる巻になる。
かつて騎馬王国は13氏族いたのだが、現在は12氏族である。それは「火族」が早い段階で抜けてしまったからで、彼らの歌による歴史伝承によれば「狼を使うか使わないか」でもめて、「火族」は「狼使い」となることを選んだため部族から追放されたのである。
で、今回ラフィーナに乗馬を教えていたときに襲ってきた盗賊団の一人が、その「火族」であった。
ずっとミーアを付け狙っている「混沌の蛇」の刺客は「狼使い」である。その接点もある。
ミーアは、「ひょっとしたら火族を元の騎馬王国に戻せるんじゃないか」と考え始める。しかし12いる氏族がすべてそれに賛同するかどうかはなんとも・・・。
この「一箇所に12氏族が集まり・・・」というくだりは「まおゆう」における「クリルタイ」を彷彿とさせる。ある意味歴史モノの定番シーンなのだろうか。
また、もちろんここでは書けはしないのだが、ついに「混沌の蛇」のトップが誰であるかがはっきりした!
ただ、過去のその人を知る者からすれば、それは相当意外な話でもあった・・。この辺の話も次巻以降引き継がれるだろう。
今回思ったのは「騎馬王国ってやっぱり通常の国の考え方では捉えにくいものなんだな」という、それにつきる。
そして、またミーアが歴史に残る発言をいくつかなすのだが、そのうちのいくつかは「偶然」だったり「いい間違え」だったりしたものが脚色を経て「素晴らしい発言」となっていることはいうまでもない。
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