が出たのでその感想を。
↑表紙のこの方は「一体誰?」と思ったものだが、「晴海」であった。
今巻では、2冊くらい停滞していたラルグウィン勢力がようやく動く。「なんだか2冊くらいまったりした日常編だったなあ」と思っていたら、それもそのはずで、ウェブ連載の「六畳間の侵略者!? へらくれす」(日常編)がある程度分量がたまったので単行本にした、というのが2冊くらい続いた模様。特に錯覚ではなかった。
ラルグウィン勢力が動くにあたって、新しい登場人物が出てきた。
フォルトーゼ第五皇女のネフィルフォラン。自分の記憶に間違いがなければ、前巻くらいでちらっと名前は出てた気がするのだが、実際に本編の話にからんできたのはここが初めて。
前巻の終わりで真希が発見したラルグウィンの拠点を攻める軍事行動を起こすために、援軍としてフォルトーゼから派遣されてきたのが、このネフィルフォラン。武闘派皇女ということである。立ち位置としては静香に近いかもしれない。
フォルトーゼの国民にとって「青騎士」と「白銀の少女」は特別な意味を持つはずなのに、ラルグウィンはそれを打ち倒そうという。惑星の民全部を敵にしてまで打ち倒そうというその動機がちょっとわからない。「叔父が青騎士に倒されたから」だけではこのような敵対意識を持つには少し弱いのではないか、という気もした。
単純に「勝ちたい」のかもしれないが、その結果を考えると・・(?)という感じ。
そのへんはおいおい明らかになるのかもしれないが。
前巻(34巻)の説明文にはこうある。
フォルトーゼと地球の融和を阻む影の正体は、ヴァンダリオンの野望を継いだ彼の甥、ラルグウィンだった。
勝利のためには固定観念を捨て、未知の技術も活用する狡猾な敵。そんな脅威を前にした孝太郎は、六畳間の女の子たちの力を借りているだけではいけないと一念発起。
彼女たちそれぞれの得意分野に師事することに。(中略)
叔父の野望をついだことになっているが、叔父の野望は「フォルトーゼ征服」だった。戦争も終わり、現政権への信頼も回復したところに、その残党が「征服」を狙うというのはどうも・・。ちょっとちぐはぐな感じがする。
・・が、しかしそれは私が考えることではないのでほうっておくとして、今巻では晴海が大活躍、ということで表紙を飾ったようである。
晴海はアライアの魂の依代的な立ち位置なのだが、立ち居振る舞いなど、時折「本物のアライアではないか?」というように思える、とした上で、孝太郎も「実際どこまでがアライアなのかがよくわからない」というシーンがあるが、そこは確かにはっきりしていない部分であり、今後別の設定が付加されるのかもしれない。
シリーズが長く続くと読むのが辛くなったり、批判も起きたりといろいろあるが、このシリーズはなぜかそんなことはなく、発売になったら大体すぐに読んでしまう。
六畳間の侵略者!?35
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