これは、もともと「美味しんぼ」に書いてあったことなんですが、面白かったので、自分流に書いてみようと思います。
「ぽん酢」といえば、柑橘類の汁を入れた醤油、というような意味になっていますが、この「ぽん」は何を意味するのか? ということです。
それには、ふか~いふか~い理由があったのでした・・・。
なんと語源はヒンドゥー教です。
ヒンドゥー教においては、「5」という数を重んじます。それは世界は5つの要素で成り立っている、という思想があるからで、
地、水、火、風、空
の5つです(五大という)。
この「五大」のことを、サンスクリット語でpanca-dhatavah(パンチャ・タダヴァハ)といいます。
この「五大」から転じて、五種類の材料(蒸留酒(アラック)、砂糖、レモン汁、水、紅茶または香辛料)を使った一種のカクテルをオランダ語でパンチ(ポンチ)と言うようになりました。
イギリス東インド会社(大航海時代にイギリスがインド統治用に設立した会社)の船員がインドから製法をイギリスに持ち帰り、そこから「パンチ」がヨーロッパの国々に広まったとされています。
その「パンチ」は、江戸時代の日本にもオランダ商船などを通じてもたらされ、オランダ語の「pons」を借りて「ポンス」というようになりました。
その後明治時代になると、英語の「punch」からの音訳で「ポンチ」「ポンチ酢」などといいました。
そういった歴史上の変遷をへて、「ポンス」から転用して「酸味の果汁」を指す意味として「ポン酢」の語源となったといわれています。
この言葉がどう変化したかを見ると、
「ポンス」(1799年)、「ポンチ」(1887年)、「パンチ」(1969年)、となるそうです(「日本国語大辞典」に載った年)。
その一方で「フルーツポンチ」という単語も未だに生きていまして、日本コカ・コーラ社が「ファンタ(フルーツパンチ味)」を1984年に発売しています。
現在では「フルーツポンチ」といえば酒を含まないものも一般的です。
もともとの材料は、蒸留酒(アラック)、砂糖、レモン汁、水、紅茶または香辛料、でしたが、
現在のフルーツポンチは、酒、果汁、水、スパイス、シロップ、炭酸水、となっています(前述のように酒を含まないものもあります)。
また、カルビーポテトチップスの「コンソメパンチ」の「パンチ」はこの「パンチ」とは全く関係がなく、
「コンソメパンチ」が初めて世に出た1978年当時の流行語が「パンチ」だったから、だそうです。「パンチが効いている」「元気がよい」「勢いがある」などの意味(そのまま)だそうで、現在とは大分ネーミング・センスが違うな、という感じがします。
参考資料:
「美味しんぼ」花咲アキラ・雁屋哲、Wikipedia
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