1巻を読み終えて2巻へ。
冒頭から「断頭台」の運命を断ち切れていないことが発覚し、へなへなとなってしまうミーア姫であったが、「飢饉時の小麦確保や内戦回避に成功し」(紹介文に書いてあるのでネタバレではない)、ついに自分の日記帳から「処刑」の文字が消えた! というか、日記帳も消えた! これはなぜかというと、「処刑」の未来が回避できたため、日記帳の存在がなくなったことになったのだ(これも紹介文に書いてあるのでネタバレではない)。
と、ここで、「じゃあミーア姫が自由に平和を謳歌する話につながるのかな」と思いきや、そうはならなかった。
「想い人である王子アベルの国で革命が勃発した」というのである(これも紹介文に以下略)。
この話の主題は「運命に抗う」である。
では、ミーア姫が革命で弾圧されなければ、なぜアベル王子の国で革命が起こるのか?
「革命」は必ず起きる、そういう運命なのだろうか?
といった問題もろもろをこの2巻でやるのだが、いろいろと別の話を思い出した。
「シュタインズ・ゲート」において、「椎名まゆり」が死ぬ運命をどうやっても回避できず懊悩する「鳳凰院凶真」(主人公)。そちらを思い出してしまった。
私は「前世」に関する本も結構読むので、例えばこういう本があるのだが、
この本が出たのが1996年。著者のブライアン.L.ワイス博士は精神医学の医師であったため、当初「これを発表することで自分は信頼を失ってしまうのではないか」と悩んだという。しかし、「前世療法士」はアメリカのみならず、現在では日本でも結構増えてきた。
で、なぜこれを思い出したかというと、催眠状態で患者が自分の前世を思い出すときに、本来自分が知らないはずの裏事情までわかることがあるのである。
つまり、自分が知らないところで誰と誰が結託していて・・・とか、自分が知らない間に誰と誰がいつのまにか不倫していて・・、のような、「周辺事情」がわかってくることがある。
なぜそんなことがわかるのかは私にはわからないが、とりあえずわかることがあるのである(強引)。
ということで、ミーア姫の「前回の時間軸」では全く知りようがなかった裏事情、が今回明かされる。
そしてミーア姫はそれを切り抜けられるのか!? が最大の見せ場である。
本人は「あくまでも自分ファースト」に振る舞っているつもりでも、周囲は「なんと聡明な姫君よ!」という評価になってしまうのは、前巻と同じなのだが、やはりそれでも考え込んでしまうところがあった。
今回特に印象に残ったのは「やり直しの機会」という言葉である。
前回の時間軸において、ミーア姫は助けてくれと懇願したのにも関わらず処刑されてしまった。今はどういう理由か「やり直しの機会」を得て、前回うまくいかなかった部分を是正することができているものの、「できれば前回の人生でもやり直しの機会を与えてほしかった」という思いは、重い。さすがに一回亡くなった人はいろいろと悟るものだなあと感心した次第である。
(もっとも、何度も書いているがこの本はコメディーである。私はちょっと違う視点で読んでいるということである)
「何度でもやり直せる社会」のほうが健全だと、私も思う。
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