↑これは七味唐辛子のパッケージだが、左に小さく「八幡屋礒五郎」と書かれてあるのがおわかりだろうか。
一般的に有名なのはこちらの商品かもしれない↓
ではこの「八幡屋礒五郎」とは誰だろう。
以前、「薬研堀」で七味は作られた、と書いたが(「七味の謎(薬味の謎)」参照)、その後七味はいくつかの大きな流れを形成し、「三大七味」と呼ばれる三軒の暖簾を作り出した。
- 東京・浅草【やげん堀】
唐辛子、焼唐辛子、黒胡麻、山椒、陳皮、けしの実、麻の実。2種の唐辛子で辛さに深みを出し、香り高い山椒や胡麻の風味が特徴 - 京都・清水【七味家本舗】
唐辛子、山椒、麻の実、白胡麻、黒胡麻、青のり、青紫蘇。唐辛子以外はすべて香りを持った素材を用い、香りを立たせている - 信州・善光寺【八幡屋礒五郎】
辛味を出すための唐辛子、辛味と香りを併せ持つ山椒・生姜、そして、風味と香りの麻種・胡麻・陳皮・紫蘇の7つ。辛味と香りの調和のとれた独特の味わい
八幡屋礒五郎のホームページより引用
よく見ると、同じ「七味」でも、中の組み合わせがちょっとずつ違うものである。
「八幡屋礒五郎」には生姜が入っているが、他2つには入っておらず、「やげん堀」では唐辛子の他に焼唐辛子がある。また青のりが入っているのは「七味家本舗」のみとなっている。
↑上記ホームページによると、
江戸中期、祖先を西山にも持つ初代室賀勘右衛門が、1736年(元文元年)に七味唐辛子を善光寺の堂庭(境内)で売り出したのが、八幡屋礒五郎の始まりです。
「室賀」という姓については、室賀の源流は清和源氏であり、清和源氏の頭領である源頼朝が崇敬した「八幡宮」から、「八幡」を屋号にしているそうである。
また、初代の名前は「勘右衛門」であったが、商売を始めるに際し、「礒五郎」を名乗ったとのことで、なにやらややこしいのだが、
室賀勘右衛門=八幡屋礒五郎
ということになったらしい。
初代の勘右衛門が創業し、二代目の五左衛門が製造法を確立して、善光寺において名声を得て、その後につながる礎となった、ということらしい。
八幡屋礒五郎のホームページに、歴史や謂れが書かれているため、興味がある方は読んでみてほしい。
(なお、私は辛いものは好きであるが、別に辛さに強いわけではなく、むしろ弱い。カレーは中辛より上になると食べられない)
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