会社員とJK、お隣さん歴1年目。 (角川スニーカー文庫)

ラノベ

タイトルそのまんまの話である。

「年の差恋愛(?)」モノということで、多分「あなたへオススメ」とかに表示されて、それを買ったのだと思う(?)。

作者の「ナナシまる」先生はこれがデビュー作とのことである。

アパートの隣人同士である、苺谷蓮太郎と花咲七葉。七葉は大体毎日夕食の時間には蓮太郎の部屋にいて、蓮太郎は2人分の食事を作るのが日課となっていたのであった・・。

「同棲」ではないものの、それに近い間柄。

この話では、「主人公視点」と「ヒロイン視点」が交互に描かれるのだが、最近はこういうスタイルの書き方が流行りなのかもしれない。

蓮太郎は七葉のことを「ウザ絡みするウザいやつ」と思っているのだが、次第にそれが変化していく。

七葉の学校が夏休みになったことで、一緒に水族館にいったり花火を見たり・・。

(蓮太郎視点では「仕方なくいやいや」となっているが)

また、「そういう状態になってから1年目」からスタートする話というのも斬新かもしれない。

アマゾンのあらすじではこうなっている。


彼女無しのサラリーマン・苺谷蓮太郎のアパートの隣室に、女子高生・花咲七葉が引っ越してきた。
今どきなJKと社会人、ただのお隣さん同士で終わると思いきや――
「カレー、良い匂いですね。私も食べたいなー、なんて……」
「まあ、いいっすけど」
きっかけはそんなふとしたこと。
二人はよく言葉を交わすようになり――気が付けば、晩ご飯を一緒に食べることが日常になっていた。
「ねぇ、お兄さん。いい……よ?」「あはっ照れた? 今照れたよね?」
隙あらばからかおうとする七葉と、ウザいと言いながらも面倒見のいい蓮太郎。
「ただいま」と「おかえり」がなんでもない日々を色づける、年の差日常ラブコメ!


作中では、「揶揄う」と書いて「からかう」と読ませていたが、「そういう読み方あったっけ?」と調べてみると、「からかう=からかう」であった。しかし「誂う」ではちょっと読みにくいので、それで「揶揄やゆする」にルビをふって「揶揄からかう」としたのかもしれない。

「揶揄」は目につくことが多い漢字なので、読めなくともニュアンスは伝わるだろうし。

・・・などと書いたが、調べてみたところ、「揶揄う」で「からかう」と読むのが正解であった。パソコンでは変換できないものの、国語辞典ではそう載っているとのこと。

「揶揄う」とは コトバンク

(ちなみにGoogle日本語入力では出てこない)

「ただし、一般的な表記ではないため、正式な文書や、新聞、放送(テレビ)はもちろん、学校教育でも使われていないようです」とのことである。道理で出ないわけだ。 

「揶揄(やゆ)」の意味とは?使い方や例文・類語・英語表現を解説!

また、「からかう」のほうの字であるが、こちらは通常「あつらえる」の読み方をされることが多く、そうなると「からかう」の漢字表記はちょっと微妙な立ち位置にあるようだ。

話を元に戻すと、七葉がなぜ主人公を揶揄からかうのか、それは七葉視点で見ればわかるのだが、なかなか本心を語れないもどかしさ(焦燥感?)が逆に感じられてしまう。学生のときは確かに妙な照れなどあって、本心で語れないというのはわかる。

また、蓮太郎も、口では「ウザい」だの言う割には、ナチュラルに食事を二人分用意したり、「そろそろ帰らないとあいつが腹をすかせてしまう」などと言ったりする。蓮太郎君もなかなか素直ジャナイデスネ。

・・・という、やり取りを楽しむ作品。

面白かった! 次巻に期待。

なお、完全にこれは自分の趣味だが、蓮太郎君の幼馴染の葵さんというキャラが個人的には好きだ。

作者があとがきにて、「感想書いてくださいね! エゴサします」と書いていたので、これも読まれるのかなあ・・(?)。

ナナシまる先生、応援してます。
↑謎アピール

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