僕の軍師は、スカートが短すぎる ~サラリーマンとJK、ひとつ屋根の下 (GA文庫)

ラノベ

「~~とJK」というタイトルのものが随分増えてきたような気がする。

そして「軍師」「スカート」・・・がどうつながるのだろう、と思っていたら、

つながった。見事につながった。

この話にもイラストにもタイトルにも、余分なものは一つもなかった。

完成度の高さからいって、この一冊で終わるつもりなのかもしれない。そういわれても不思議ではないくらいにまとまっていた。だが続くこともできるので、その後を見てみたい気もする。

とあるブラック企業に務める主人公・史樹はある日家の前で腹をすかせて佇んでいる少女と出会う(この少女がなぜここで佇んでいたか、なぜ飲食店で食べないのか、というのも理由があとで出てくる)。

この少女に、とある理由で料理を作り慣れている(この理由もあとで出てくる)主人公が食事を作ってあげると、少女はお返しとして、ある提案をしてくる。

「定時で帰れる社畜にしてあげる」と。

翌日、彼女の言うとおりに行動したところ、何がどうなったかわからないが確かに定時で帰れてしまった。かくして、「軍師」であり「プロデューサー」である少女・穂春ほはるとの共同生活が始まるのであった・・。

というのが表向きのあらすじ。

語られる話の中の様々な部分が有機的に絡み合って全体の構造をなしており、まるでアイザック・アシモフの手法を思い起こさせた(アシモフファンはこれを読まないだろうが・・)。

作中、噴いた部分があったので書いてみる。

春「な、なんか胸がドキドキして・・」

史樹「不整脈かな?」

・・・・これを書いておわかりかと思うが、主人公は、大変性格のよい男である。

久々に、「清々しい主人公」というのを見たような気がする。

思わず応援したくなるような、とでもいおうか。

この話の見どころは、穂春がどのようにして史樹をプロデュースしていくか、というその手法、および、穂春自身がどうやって自身の悩みを解消していくか、という経緯にあると思う。

ところで、表紙のイラストに既視感があったのだが、既視感じゃなくて、すでにやっぱり読んでいた。

隣の女のおかげでいつの間にか大学生活が楽しくなっていた (角川スニーカー文庫)

↑これであった。イラストレーターは「パルプピロシ」さんという方。

大変よい感じの絵を描かれる。

この本も好きだったのだが、2巻は出ないのだろうか、と思っていたところ、またしても、

打ち切りであった。ガ━━━━━(゚Д゚; )━━━━━ン!!!!

楽しみにしてたのに~~~~。

ということで、カクヨムにて続きが読めるということで、「カクヨムビューワー」で読む本がまた増えてしまったのだった・・・。

カクヨムのこの本の場所はここなんだよ(・∀・)

と思ってカクヨムにいったところ、はっきり覚えてはいないが第1章が単行本化されて、第2章がまるまる読んでいないのでは・・・という感じだった。→確認中→確認終了→そうだった!

しかし「読みたい本が売っていないのでネットで読む」というこの状況、なんだかおかしくないだろうか?

例えばであるが、電子書籍限定販売、などすれば出版社もペイするのでは? 印刷コストが高いから問題なのであって・・、テキストとイラストだけを組み合わせて電子書籍化するだけなら、一日もかからず製本できてしまう。なぜやらないのだろうか・・。あ、イラストレーターさんのギャラとかあるか・・。他にも校閲者とか。

では、「校閲は著者にやらせて、イラストは印税化」とかしたらどうなんだろうか(人件費をゼロにしたい)。誤字があったら適宜データ修正をするとかしたら、紙の本よりも利点が出るのではないだろうか。

「紙の本を出したら赤字になるので本自体を出さない」としたら、どんどん「カクヨム」とか「なろう」に読者をとられていってしまうと思うのだが・・・。

よく考えたら「無料だったらそっちで読むよ」という人が多いということなのかもしれないが、「この出版社がいいと見込んだのだから買う」という購入動機もあると思うのだ。

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